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賢治と嘉藤治との出会い

 ヒガンバナ9.19 046-sヒガンバナが咲きそろってきました。9/19大崎市古川 羽黒山公園

昨日の宮澤賢治の命日に行われる「賢治祭」には台風の影響で行けなかったのですが,私は,賢治祭の温かい雰囲気が大好きで,隣り合わせた地元花巻の人々との交流もとてもよい思い出になっています。この賢治祭の最後に「精神歌」をみんなで歌います。見事な歌です。
 実はこの「精神歌」を卒業式の歌として最初に指導したのが,藤原嘉藤治だそうです。
 私はこのことを「かとうじ物語」というサイトで知りました。(そのブログは こちら )
嘉藤治と賢治は「交換授業」をすることにし、賢治は英語やドイツ語を、嘉藤治は音楽を互いに教え合いました。賢治はその影響で音楽の魅力を深め、自作の詩に曲をつけたり、それを生徒に歌わせたりしました。
 その一つが「農民精神歌」です。「日ハ君臨シカガヤキハ/白金ノ雨ソソギタリ/ワレラハ黒キ土ニ臥シ/真ノ草ノ種マケリ・・」曲は川村梧郎が創りました。嘉藤治は女学校から農学校にオルガンを運んで最初の指導に当たりました。やがてこの曲は卒業式の式歌として歌われ、今に引き継がれています。こうした賢治の歌は生徒の精神に作用し、校風を変えていったといわれます。(上記「かとうじ物語」からの引用)

 ところで,一昨日載せた記事に賢治の親友の藤原嘉藤治のことを書きました。彼らは終生変わることのない高い志と友情によって支えられた友達同士だったのです。賢治と嘉藤治の写真はないかと探していたら,以前に載せた記事「賢治は愛煙家だった?」(2009.11.17)にありました。(その記事は こちら )
ここにもう一度出してみます。

羅須地人協会宮澤賢治が手にはさんでいるのは煙草?

NikonD300 VR16-85mm 78mm F5.6 1/200 ISO1000

 ここは羅須地人協会です。集会室に飾られている写真を何気なく見てますと,あら,賢治が手に何かはさんでいます。
 どう見ても煙草です。
 宮澤賢治って煙草吸ってたんですか。
 ちょっとイメージに合わないところもありますけど・・・。賢治の作品の中で「煙草」が出てくる「空明と傷痍」という詩は、『春と修羅 第二集』の冒頭を飾る作品です。


     空明と傷痍

                  一九二四、二、二〇、

   

   気の海の青びかりする底に立ち

   いかにもさういふ敬虔な風に

   一きれ白い紙巻煙草(シガーレット)を燃すことは

   月のあかりやらんかんの陰画

   つめたい空明への貢献である

 しかし,この詩で「一きれ白い紙巻煙草」をくゆらしているのは,親友の藤原嘉藤治のようです。
 付き合いで賢治も煙草を吸うことはあったのかもしれません。
この写真に写っている左が賢治で,右側の横顔の人が藤原嘉藤治なのです。
 そこで今日は賢治と嘉藤治の出会いを見てみます。
 藤原嘉藤治については「かとうじ物語」という詳しいブログがありますので,そこを参考にさせていただきました。(そのブログは こちら )
大正十年九月、藤原嘉藤治は花巻高等女学校に転勤しました。
 花巻高等女学校は明治四十二年の創設で、当時、地方の女子エリート校、青いセーラー服姿で日詰駅から汽車に乗る生徒も少なくありませんでした。今も健在な教え子は、「先生はとても熱心で厳しく、できないとすぐに怒りました。でもうまくできると感激して喜んでくれました。」と証言しています。詩も書き続けていました。
 十二月のある日、花巻農学校に勤め始めたばかりの宮沢賢治が突然宿直室を訪れ、自分の詩と童話を読んで欲しいと言うのです。嘉藤治は、面食らい、しかも手にしたその詩のすばらしさに圧倒されて表情がこわばっていました。じれったくなった賢治はその手から原稿をもぎ取るようにして自分で読み始めました。これが二人の出会いです。
賢治も嘉藤治のことを詩にしています。
〔塀のかなたに嘉莵治かも〕

   

   塀のかなたに嘉莵治かも、     ピアノぽろろと弾きたれば、

   

   一、あかきひのきのさなかより、  春のはむしらをどりいづ。

   二、あかつちいけにかゞまりて、  烏にごりの水のめり。

   

   

   あはれつたなきソプラノは、    ゆふべの雲にうちふるひ、

   

   灰まきびとはひらめきて、     桐のはたけを出できたる。

 やがて賢治は嘉藤治の仲人まで務めることになります。音楽で結ばれた二人の友情は,やがて終生変わらない生き様への憧景として互いに固く結ばれていったのでした。

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コメント

Re: ・・・繋がりました。

>  賢治についてのいろいろなことが、今回のブログで繋がったものがありました。
>   (・・・やはり、隅々まで「この中」を見てみます。新たな発見が楽しみです。)

yachoさん。いつもありがとうございます。
賢治のことについては,愛好者がたくさんいるので随分研究が進んでいます。私は研究者ではないので,自分にとっての賢治というアプローチで,のんびりやっています。  

・・・繋がりました。

 賢治についてのいろいろなことが、今回のブログで繋がったものがありました。
  (・・・やはり、隅々まで「この中」を見てみます。新たな発見が楽しみです。)
 
 
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