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白鳥の声-伊豆沼-

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今朝の伊豆沼

ガンの鳴き声は2オクターブ上の音だが
白鳥の声は輪郭がまろく
少し太い
しんとした秋の夜に星座越しに聴くと
妙に心が温まる
夢の中で聴いたような
懐かしい声に近い



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ふしぎな光

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夜の散歩中,不思議な光を見た

只今伊豆沼・内沼ガイドマップをつくっています
ターゲットを一般の人に置くか,鳥で来る人に置くかで全然違ってきます
悩むところです
伊豆沼・内沼で観察された鳥のリストをつくりました

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今朝の雁の飛立ち 内沼

今度の伊豆沼読書会は28日午後1時30分~
登米伊豆沼・内沼サンクチュアリーセンター淡水魚館で行ないます
「方言」についてです


夕暮れの丘の上から

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ネムノキ咲く

散歩を終えて今夕暮れの丘の上に座っている
景色が暑さのせいで熱が籠り,よどんでいる
この5年,毎日毎日この丘の上から時の止まった景色を
ただぼんやりと眺めてきた
日は沈み,月は出る,雲は走り,星が瞬く
何のためにここにいるのか
何を見届けようとしているのか
何かを待ち続けているのか
待っている人も訪ねてくる人もない
昨日が今日の予兆となることもなく
眺めている景色の中には帰るべき家も明かりもない
さっき向こうの林のへりを通ったキツネでさえ,目的を持ったように急いでいた
とにかくこの5年,何かを期待しているかのようにここにいる
そして何も起きることはなく,来るべき人も来ることはなかった

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ハスの蕾

今年もホタルは難しいか

雨のホタル-2s
2015/6/28雨のホタル

どうやら今年のホタルも数が大変少ないようです
16日金曜日まで降り続いた雨は一日で110㎜超えでした
ホタルの渓流は太い濁流と化し,工事を終えた護岸がまた流されていました
護岸から引きはがされた大木が激流に倒れて洗われていました
まだ我慢の日々は続く模様です
というわけで,今までのホタル写真から選んで載せます

カモシカとホタル-6ss
2021/6/24 カモシカの蛍狩り

一昨年は,なんと川辺にカモシカがホタル見物にやってきていました
わたしがホタル撮影をするのを不思議そうにじっと見ていました
ホタルとカモシカ
初めてのコラボとなりました

20220630ホタル2-7-1s
2022/6/30 竹林を行き交う

昨年の様子です
数は少ないのですが,数時間という長時間撮影で行ったり来たりする様子も入れました

日曜ホタル2-2ss
2015/6/22 水ホタル(映り込み)

ホタルが水に映り込む様子です
瀬が浅いところでさざ波が立ちますから映り込んだホタルの光が独特のラインをつくります

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2021/6/26 ムネクリイロボタル発見

昼にホタルの調査で渓流沿いの葉をめくってみつけました
他にクロマドホタルも確認できました


漫才 わらふぢなるお「空質問(からしつもん)」-伝わりにくさの本質-

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伊豆沼の朝 昨日5月27日撮影

ラジオから漫才コンビ「わらふぢなるお」の漫才が聞こえてきた。「わらふぢなるお」は二人組,「ぼけ役のふぢわら」と「つっこみ役のくちぶえなるお」というコンビのかけ合いである。
それで,「空質問(からしつもん)」というネタを知った。「空質問(からしつもん)」とは,下のかけ合いに出てくるが,「しなくていいムダな質問のこと」で,わざと話が嚙み合わなくなるようにさせ,相手をイライラさせる方法として使われている。
まずは,その空質問が出て来る部分のかけ合いの引用部分を読んで下さい。初めて人間ドックに行ったという口笛(くちぶえ)くんにふぢわらくんが「空質問」を浴びせかけます。

ふぢわら 人間ドックって、あれ、一体何やんの?
口笛  あの、まず最初にね、問診をするんですよ。
ふぢわら  医者が?
口笛  医者が。
ふぢわら  医師免許持った医者が?
口笛  うん、そらそうだよね。医師免許持ってない医者は医者って言わないからね。
ふぢわら  法律上?
口笛  法律上。
ふぢわら  うんうんうん。
口笛  その後にね、今度は心拍数と血圧を計るんですよね。
ふぢわら  間違えないように?
口笛  間違えないように。
ふぢわら  へえ。
口笛  だって間違えたら、ダメだからね。
ふぢわら  あ、医者として?
口笛  医者として。
ふぢわら  確かにね。
口笛  で、僕緊張してたんで心音がすごい速くなっちゃって。
ふぢわら  ほお。
口笛  そしたらお医者さん、何て言ったと思います?
ふぢわら  口で?
口笛  (無視して)「あれ? ここまで走ってきたんですか?」って言ってきたんですよ(笑う)。
ふぢわら  口で?
口笛  (無視して)いや、だから僕も緊張してたんで、「あ、はい、走ってきました」って嘘ついちゃったんですよね(笑う)。
ふぢわら  口で?
口笛  お前、うるせえな、このやろう、お前! お前、うるせえな、このやろう! なんなんだ、要らねえ質問ばっかしやがって、お前。
ふぢわら  はあ?
口笛  空質問(からしつもん)が多いわ。
ふぢわら  空質問?
口笛  しなくていいムダな質問のこと。

haranomachiさんのブログ「ヒポポタマス」から引用させてもらいました

なんとか無視して話を進めようとするくちぶえくんですが,ふぢわらくんの「空質問」の攻撃に,もう堪忍袋の緒が切れるわけです。この場合,「お医者さんなんて言ったと思う」に対して,「口で?」と質問して,以後の会話すべてに「口で?」と確認を取ろうとするわけです。いわば,会話での伝わりにくさの極限へと誘われて,リスキーな「道行(みちゆき)」に舵を取って,会話の崩壊へと突き進む地獄巡りなのです。

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雨のしらせ

この「空質問」は,妙に現代の風潮に合っています。「伝わりにくさ」という人間関係における深刻な不安に対して,敢えてめげずに「空質問」をボクシングのジャブのように繰り出し続ける超ポジティヴな攻撃法にすり替わっているのです。
確かに「伝わりにくさ」は深刻な問題です。しかし,同時に「伝わりにくさ」を笑いに昇華させる技は,落語のネタとしても多用されて来ました。小僧が旦那さんから伝言を頼まれて,言葉を額面通りに受け取る勘違いをそのまま相手に伝えた時に起こる笑い,教えられたことをただ通り一辺倒に繰り返して,やがてずれ(伝わりにくさ)が深まっていく感じは,全く「わらふぢなるお」のネタ「空質問」と同じ状況です。
新美南吉「ごんぎつね」の兵十と嘉助の会話に似ています。

「そうそう、なあ加助」と、兵十がいいました。
「ああん?」
「おれあ、このごろ、とてもふしぎなことがあるんだ」
「何が?」
「おっ母が死んでからは、だれだか知らんが、おれに栗やまつたけなんかを、まいにちまいにちくれるんだよ」
「ふうん、だれが?」
「それがわからんのだよ。おれの知らんうちに、おいていくんだ」
 ごんは、ふたりのあとをつけていきました。
「ほんとかい?」
「ほんとだとも。うそと思うなら、あした見に来こいよ。その栗を見せてやるよ」
「へえ、へんなこともあるもんだなア」
 それなり、二人はだまって歩いていきました。

何か輪郭がはっきりしない不思議なことを題材にするとこうなるでしょう。ごんぎつねの場合,伝わりにくさは,やがて悲劇を生みます。トマス・ハーディーの「テス」でも,恋人から「正直に話してごらん」という言葉を額面通りに受け取ったテスが自分の過去をしゃべったことで別れることになります。映画でナターシャ・キンスキーを覚えている方も多いでしょう。まさに口は災いの元になってしまいます。昔話の人柱伝説「雉も鳴かずば」もいらないことを喋ることで自分自身が人柱にされてしまう話です。なんだか「伝わりにくさ」が哀しい結末になってきましたが,伊藤正子の「ところふう」という話は「ばかむこ」が登場しますが,ばかむこがしでかした失態を見事に周囲が助けて,一件落着という喜劇もまた「伝わりにくさ」の結末なのでした。わらふぢなるおの「空質問」の落ちもやはり幸せな笑いであってほしいと思いました。