2015/04/04

晴れた日のかたくり(4/4撮影)
なんと天気予報が外れ,いい天気です。
これじゃ夜の皆既月食も大丈夫かなと思います。
朝の露を重たく載せたうつむいたかたくりでしたが,日が高くなるにつれてどんどん花びらが反り返っていきました。
あんなに小さい花なのに大きな動きをすることに改めて驚きました。

このかたくりの花びらの根元の
山マークの模様は,一つ一つ違うのだそうです。おしゃれなマークです。
花びらがみるみる反り返るのを見て,どのように反り返るのか不思議に思いました。
それでよく見てみると,外側に着いている花びらの3枚が一枚ずつ反り返っていきます。そして外側の花弁が反り返った後,今度は内側の3枚の花弁が反り返っていき雌しべや雄しべが写真のように顔を出していきます。段階を経たなるほどの花の開き方です。

スプリング・エフェメラル
かたくりもこのスプリング・エフェメラルズの仲間です。
特に春先のまだ朝晩冷える季節に咲くので,花びらは閉じたときに三重の構造になって雄しべや雌しべを守ります。身体に対して葉は大きく限られた期間で最大の光合成ができるように発達しています。
個体当たりの生産種子数は,年によって多少のばらつきはあるものの,平均17~27個の値を示し,一方,胚珠当たりの稔実率は30.7~66.7%の値を示します。野外集団の個体において人為的交配を施し,その稔実率を観ますと,84.5~96.2%の値を執りますので,シーズンによる送粉昆虫の活動の差異が,カタクリの結実数と稔実率に大きく関わりのあることを明らかに示しています。
5年間に亘る個体の生存率は62~88%で,可成りの高い割合を占めています。また,全個体の年平均死亡率は20~36%で,したがって閉鎖的で,安定した林内に存在するカタクリの野外集団内において,推定される個体の完全な入れ替えは10.5~32.5年と非常に遅く,ゆっくりとしたペースで進んでいることが分かります。
これらのデータから,実生を含む幼植物段階においての個体の死亡率が高いこと,更に上級のサイズ・クラスに属する個体数の変動が少ないことが,まずはっきりとして来ました。また集団全体として見た場合,外から特別の干渉が加えられない限り,カタクリは実に安定した構造を,何年にも亘って維持していることが明らかとなって来たのです。
「ニュートン 植物の世界 1号 カタクリ」河野昭一監修から
この本は植物の専門性を一般にも分かりやすく解説している好著です。

光あふれて
それでは皆既月食の撮影に行ってきます。
みなさんの写真も楽しみにしています。
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