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月を眺めて思う

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月を眺めて 凍った水面に写る

月待ち信仰というものがあった。月の出を待って皆が集まり,話合ったり飲食を共にすることで交流を深める大切な意義があった。
その中でも月齢23の真夜中に出る下弦の月を待つ,二十三夜待ちが特に女性達の講としても流行ったらしい。二十三夜待塔がこちら東北でも多くはないが残っている。
暗くなると女達は当番の家や御堂に集まり,持ち寄った料理やお供え物を広げて,どこそこの家では来春に子どもが産まれると言うからお手伝いをどうするかとか,お産のしきたりとか,備蓄米から産まれた子ども分の米を配給する手はずなどを集まった女達同士でよく話し合われていたと思います。いずれにせよ,同じ村落共同体として,助け合いを一層進めるための組織は現代でも学ぶことが多いでしょう。

さて,二十三夜待ちの集いは,23日の当たり日の仏が勢至菩薩です。知恵の光によってあまねく罪をなくす徳が得られると言います。
ですからあげるお経や真言などは勢至菩薩に関係するものだったのでしょう。しかし私は勢至菩薩と聞くと思い出すのが,二十五菩薩阿弥陀来迎図です。昨年,新田のサンクチュアリーセンターで 「星剛(ほしたけし)かま神さまとそのなかまたち」展という作品展を行いましたが,その中に星氏の最新作「二十五菩薩阿弥陀来迎図」がありました。その作品を見て下さい。

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星剛 二十五菩薩阿弥陀来迎図 2022 「星剛かま神さまとそのなかまたち」展より番号を振った写真

この写真は,いよいよ人が亡くなるという時に西方浄土から阿弥陀如来がお迎えに来る図です。二十五人の菩薩が阿弥陀如来を取り囲み,花びらが舞う中,様々な音楽を演奏しながら光の中から雲に乗って静かに下りてくる様子が描かれます。
この中に勢至菩薩がいます。26番です。下の拡大した26番の勢至菩薩の写真を見て下さい。

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26番勢至菩薩 水甁を持っているといいますが,香炉の様にも見えます

この勢至菩薩は,今死なんとする人に「何も怖がることはありませんよ。一緒に極楽浄土に参りましょう」と語りかけ,優しく頭を撫でて下さるそうです。頭を撫でていただくことで,全ての罪穢れが払われ,阿弥陀様の手から出ている紐を握り,極楽に連れて行ってもらう,そんなストーリーです。このような浄土信仰がやがて生活の具体的な局面へ下りてきたのです。

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月を眺めて

どうも二十三夜待ちはそうした昔から続いてきた信仰を基に少しずつ上書きされながら女達の間で発展継承してきた行事だと言えそうです。この流れが具体的な安産,健康,厄除け,家内安全という生活する女達が望んだ「山の神信仰」へとまた姿を変えて隆盛してきます。

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月を眺めて 凍った水面に写る

今に残されている昔の信仰は,時代時代の変異の積み重ねの総和として現代に見えていますから,根源がどんな姿だったかを探ることは至難の技ですが,人々の思いや願いは変わることがありません。様々な学説はありますが,人々の思いや願いを読み取れる説であってほしいと月を眺めながら思います。


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月を見ながら歩く

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塒に急ぐ 今日1226日

三日を仰ぎながら夕暮れの山野を歩く
さみしくない


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三日前の 今日1226日

昨日はが細すぎて(でも月齢1.7か)少し可哀想になった
今日は月に自信がついてきたように感じた
旧暦でも12月に入った
今年最後の,この月か

一番好きなものを最後にとっておくという,この性格
よくない
これをやってから
あれをやってからと
どんどん体力を使い果たし
一番やりたいことに辿り着きさえしないままに
寝てしまっている


11月8日皆既月食-天王星食-

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11月8日皆既月食-天王星食- 全体写真 月面の南南西に食に入ろうとする天王星が見えますね

天王星食の潜入は,皆既中で暗くなっていたので5.6等の天王星もはっきりと写っていますね
もっと拡大して寄ってみます
実はこれらの拡大写真は無謀にもすべて手持ちで撮影しました。

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11月8日皆既月食-天王星食- 拡大写真 第一接触にかかった時です

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そしていよいよ皆既食の最大時19時51分の月のアップです

ところが出現時の第三接触,第四接触が撮影して画像をチェッしても確認できなかったのです
焦りました。当地では第三接触が21:33:13。第四接触が21:33:30のはずでした。
カメラの設定が良くなかったのか,トホホの結果となりました。
家に帰り,ソフトでもう一度確かめましたがそのシミュレーション図だけを載せておきます。今度はなんとか確実に撮りたいものです。

天王星出現レタッチ
天王星第四接触図シミレーション図

帰りは寒くて風邪気味になった皆既月食天王星食撮影でした。
みなさんは如何でしたか。うまく撮れましたか。私は後悔しきりの久し振りの撮影でした。


11月8日皆既月食連続写真

1108月食連続ゴウセイ-7s
11月8日皆既月食連続写真 昨夜 「おかえりモネ」の長沼にて 
17:32の背景をベースに18:00~22:00まで5分おきに50枚を比較明合成

もっと光の勉強が必要だと痛感しました
ばらばらです
皆既に入ると暗くなるので不安になり,ついつい明るく撮ってしまうのです。
後で説明付きの画像を載せます


11月8日の皆既月食に思う

4~5日に開かれた新田地区の文化祭に「11月8日の皆既月食を祝う」と題して写真特集のコーナーを設けたが,残念ながら反響は少なかった。そもそも星や月などに興味を持つ人は少ないのだと思わざるを得ない。普段の生活をしていても現代人はあまり星や月のことを気に掛けてはいないのだと思った。そこで今度は展示した写真を伊豆沼・内沼サンクチュアリーセンター淡水魚館に持ち込んで展示したら子ども連れの大人が熱心に見てくれた。やはり嬉しいものだ。とにかく場所や時を選ばず,観る機会を設けることが大切だと思うに至った。
そこで今日は月食の前祝いも兼ねて人気が高かった今までの写真を載せてみたい。
2014月食-2s
「おかえりモネ」で有名になった長沼の風車で皆既月食 2014.10.8

部分日食4-2gs
2021.5.26 「復活の龍」 岩井崎 部分日食連続写真
月食ではなく日食だが,連続写真と岩井崎の「復活のドラゴン」と組み合わせてみた。

月に雁
「月に雁」2009.12.21 切手で有名な「月に雁」自分なりの「月に雁」をイメージして満月と雁を組み合わせてみた

夕方326 061-2s
「前へならえっ」2012.3.26 これも月食ではないが,人気があったので載せてみた。ちょうど三日月と木星,金星,昴が縦一列に並んだのであった

新田ISS-2gs
「最後の稲架けを見るISS」2021.10.6 ここの田んぼの稲架け(棒架け)は実に美しい。この田んぼにも今年コンバインが入り,この棒架けの景色はなくなってしまった。

ISS(国際宇宙ステーション)と星景を組み合わせるのもまた一興である。
次は同じISSでも鉄道風景と組み合わせてみよう

十日夜-2gs
十日夜の月とISS 気仙沼線 涌谷―和渕

旧暦の10月10日を「十日夜(とおかんや)の月」と言い,十三の月の後に拝んでいた。十日目の月とISSと一両編成の電車を組み合わせてみた。
月食銀河-2gs
「赤い月」(合成)2018.1.31
皆既月食の最大時の時に見える赤い月。栗駒山の天の川と組み合わせて合成してみました。あり得ない写真ですが,赤い月が印象的ということで人気がありました。

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2011.12.10 2011年の月食図

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2011.12.10 「風車を見上げて」
わざと月食最大時の月を逆に明るくすることでポイントにしてみました

1108皆既月食ロゴ入り
最後に今夜の皆既月食のシミュレーション図です

どこで,どのように撮るか。
そんなことを考えながら楽しみたいものですね