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マガンという鳥2

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春の光 今朝2月14日 内沼

穏やかに晴れた空を南から次々とハクチョウ達の群れが伊豆沼に集まり出しました
どうやら渡り鳥たちも北帰行の準備段階に入ったようです
今シーズンは最も寒い時期が12月から1月中旬までに前倒し的に訪れました。今までの印象では節分・立春時期に寒気の底がやってきていましたが,段々と前倒し的になり,1月下旬になり今年は更に早くなったという感じです。ここで今までの年ごとで最も低い気温,最低気温を記録したベストテンをみてみましょう。観測地点は伊豆沼のある築館です。データは1976年以降から今年までです。
第1位 -18.3℃ (2012/2/3)
第2位 -17.0℃ (2018/1/27)
第3位 -16.5℃ (2021/1/3)
第4位 -15.9℃ (1980/2/17)
第5位 -15.6℃ (2004/1/24)
第6位 -15.3℃ (1991/2/20)
第7位 -15.2℃ (2021/1/9)
第8位 -14.9℃ (2020/12/21)
第9位 -14.7℃ (1990/1/27)
第10位 -14.6℃ (1981/1/14)
こう見ると昨シーズン(2020~2021)は歴代3位に入るほど寒いシーズンだったと分かります。だから長沼で御神渡りが久し振りに見られたんですね。月を追っていくと1月が6回,2月が4回です。2020年12月もあってやっぱり寒の底も前倒しになっているなと感じますね。
さて今日はマガンについて,特に舞い降りる時の独特のマガンの様子を見ていきましょう。

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舞い降りるマガン

ガンが舞い降りる時の姿勢は少し滑稽に見えるところもあります。特に下りる時には羽をばたつかせ,首をぐっと下に突きだし身体のバランスを取る姿はちょっとあやういなとも感じます。

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舞い降りるマガンたち

今度はファミリー全員で舞い降りる姿をみてみましょう。
ここで気付かれたと思いますが,どれが親でどれが子どもかということです。腹にはっきりと黒い斑模様があるのが親,成鳥です。一方腹が白くなっているのが昨年生まれた子どもでしょう。また成鳥,幼鳥の区別は顔では嘴の根元を取り巻く白い毛があるのが成鳥で,嘴の根元を取り巻くの白い毛があまりはっきりしていないのが幼鳥です。田んぼに並んだ姿や飛んでいる姿を見ると意外に大きさが違っていることが分かります。親より大きな子どももいるようで個体差が大きいのかなと感じたりもします。

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左 成鳥 嘴の根元を取り巻く白い毛,腹に黒の斑模様  右 幼鳥 嘴の根元を取り巻く白い毛が少ない,腹に黒の斑模様なし

見比べてみると分かりやすいかなと思いました。嘴の根元の白い毛,腹の模様です。違いが分かりますか。

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舞い降りるときの独特の姿勢

もうそろそろ北帰行が一気に進むでしょう。
しかしこれは北の積雪状況にも依るようです。以前には北帰行で帰ったのに寒波襲来でまた伊豆沼に戻ってきた年もありました。
まだゆっくりと雁たちに会っていない方はもうお別れまでもう少しです。会いに来てください。

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「いないいないばあ」に見える

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舞い落ちる羽


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前方注意!後方注意!

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前方注意 1/26撮影

1/29の伊豆沼読書会は感染急拡大のため中止とさせていただきます
来月2/26の2月の読書会を楽しみに待っています

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前方注意 1/26撮影

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後方注意 1/26撮影


10年という月日

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前に出会ってからもう10年が経つんだなあ
お互いいろんなことがありすぎて
なんだか恥ずかしい
もちろん憶えてもいないだろうけれど
ぼくだ
先日オスだろうとかいたけれど
翼に黒紋があることで
やっぱり君だと気付いたんだ

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徒党をなしてやってくる者達は
すかしてやれ

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ぼくには再会が
確かめられただけでいい
それだけでいい
ところで君の横顔がこんな「こまったさん」だったなんて
新発見だ

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ありがとう
また会おう


マッスに挑む-大群の構造-

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コミミズク 今日撮影
オスのようです

お知らせ 1/29予定の伊豆沼読書会は感染防止のため中止とします。
内容については先回の1/14の記事「伊豆沼八景」をご覧下さい。

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マッスに挑む 蕪栗沼 1月17日撮影

さて今シーズンは集中的に蕪栗沼の朝の飛立ちの大群を撮っていますが,その大群となる仕組みについて少しずつ分かってきたことを書きます。
11万羽超の朝のマガンの飛立ちは多くはまず東側の北端から始まるようです。画面左が北です。飛び立ち始めた北端の群れがやがて中央のエリアにいるマガンを刺激して中央が先発隊を追いかけるように飛立ち,最初に飛び出した群れに合流するようになります。そして連鎖的に「ページをめくるように」(この比喩は的確です)大群が膨れ上がっていくわけです。
下の写真を見てください。それぞれの群れが合流していく様子を群れごとにおおまかなラインを引いて区別してみました。

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マッスに挑む 蕪栗沼 1月17日撮影 ライン付き

ただこれではほとんどがただ南に行ってしまいます。
この大群から程よく先頭が分散して四方八方に舵を切って飛ぶことになります。これは家族を単位とした数グループ単位で数百羽です。雪が降ったり,風が強い場合はまず近くの田んぼに集まり,様子を見ることになります。この大群を正面から撮ろうと南側にカメラを構えておりますと全体のラインがうまく写らないのです。ですから全体のラインはある程度離れて撮らないといけないようです。
田んぼで餌を漁っていたファミリーが移動する場合は隊列ができた場合,飛んでいる最中に飛んでいる位置を変更したり,追い越したりしないようなきまりがあるようです。先頭が減速すると後ろから付いているガンも減速します。しかし決して隊列を崩すことはないようです。ルールは厳格に守られるようです。

11万羽超(1月13日県発表)の生存を可能にするマガン達の厳格なルールがつくる大飛翔のラインはSDGsなどは遥かに超えているように感じます。

この頃のこと

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雁避難

東北道でホワイトアウトによる140台がからむ事故があった風が強かったあの日
伊豆沼の鳥たちはめったに立ち寄らない場所に避難していた
ここは長沼フートピア公園,風車を背景に長沼を見下ろす牧草地に集結していた
風上に頭を向けて耐風の姿勢を取っている。この姿勢が一番安全である。強い風に背中を向けようものなら羽が強風で翻り,羽を痛めることになったらそれこそ大変なことになる。写真では立って警戒態勢に入っているが,これは私や犬が近くに見えたからである。耐風姿勢はしゃがんでいる。このようにして彼らは強風をやり過ごす。

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画面右下にキツネ

重く垂れ込めていた雪雲が途切れ始め,陽が差し始めた。
雪景色の中ではキツネなどの動物は見つけやすい
少し追いかけるとこちらの様子を伺いながら逃げていくが振り返って牽制する声を出す。
その声に対しこちらも口笛などで返事をするとまた牽制する声を出す
あまり深く追いかけず,この辺でこちらも無視するふりをすると彼らの取ろうとするルートが分かる。

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氷が解けはじめると見えてくる景色

一面に覆っていた氷が解けはじめると見えてきた水面にさっそく反射した世界が映り込み始める。
水面を渡る薄い風が細かく波を立てて反射して映り込んだ世界を揺らす
この氷と隣り合う次元を隔てた景色が同時に存在することが実に興味深い

今朝キクイタダキ4羽が水浴びをしていた。
頭頂の黄色いラインが実に目立った
日本一小さい鳥なのになんという主張力だろう
自然は全力で生き物の存在をデザインしているのだ