2022/09/25

今朝の伊豆沼
今日は思い出の一コマを紹介します
カーペンターズ「now and then」ジャケット
坊主頭の中学3年生の私が,初めて女の子の部屋に入ったのは友だちのお姉さんの部屋だった。
当時の私は「マック」ナショナルのラジカセを持って,しきりにFMレコパルを見て、エアチェックをいていた時分のことだ。友だちがお姉さんの部屋に「サラウンドの4スピーカーのステレオがあるんだ。聴いてみるかい」と言うではないか。「聴く。聴く」と部活で不在だった友だちのお姉さんの部屋に入った。昔のつくりの家で土間から上がった囲炉裏のある北側にガラス戸で仕切られたお姉さんの部屋があった。女の子の「お」の字も知らない奥手の私には当時女子高生だった女の子の部屋はなぜか明るく光り輝いているように感じた。明るい色調のかわいい模様のベッドカバーやお洒落な勉強机を見て,正直,この世にこんな部屋があるとは信じられなかった。ふと壁にレコードジャケットが掛かっていた。
カーペンターズの「ナウ アンド ゼン」のレコードジャケットだった。北向きの少し暗い部屋だったがジャケットの青が白い壁に映えていた。
そして
カーペンターズの「ナウ アンド ゼン」のB面の一曲目「イエスタディーワンスモア」を聴いた。
なんという音の豊かさと臨場感。私は15年の人生で初めて心の底から感動した。
もちろんこの曲は日本でもミリオンセラーになる大ヒットになったが,つくづくこのような明るい音楽を生むアメリカという国の偉大さを知った。

朝のシジュウカラガンの群れ 数えると130羽弱いる
「イエスタディー ワンス モア」
作詞:ジョン・ベティス(John Bettis)作曲:リチャード・カーペンター(Richard Carpenter)
When I was young
I’d listen to the radio
Waitin' for my favorite songs
When they played I’d sing along
It made me smile
若かった頃 ラジオを聴いて
好きな曲が流れるのを待ってた
その曲が流れると
一緒に口ずさんで
笑顔になれた
それはとても幸せな時間だった
それほど昔には感じない
どこかに消えてしまったと思っていたけど
また戻ってきたの
まるで懐かしい友達のように
みんな大好きだった曲たち
Every sha-la-la-la
Every wo-o-wo-o
Still shines
Every shing-a-ling-a-ling
That they’re startin' to sing's
So fine
曲があの部分にさしかかる
彼が彼女の心を傷つけるところ
そこでまた泣いてしまう
あの頃のように
過ぎし日々よ もう一度
過ぎていった年月を振り返ると
楽しかった思い出が
今日を悲しくさせる
いろいろ変わってしまったから
あの頃よく歌った愛の歌
歌詞を全部覚えてたものよ
あの懐かしいメロディは
今も私に心地よく響いて
過ぎ去った時間を溶かしてくれる
Every sha-la-la-la
Every wo-o-wo-o
Still shines
Every shing-a-ling-a-ling
That they’re startin' to sing's
So fine
すべての良い思い出が
はっきりとよみがえる
泣いてしまう思い出もあるけれど
あの頃のように
過ぎし日々よ もう一度

今朝の伊豆沼9月24日
アルバム「Now & Then」は,
カーペンターズ5作目のアルバムで,日本では1973年6月25日に発売された。「Now & Then」は「今そしてあの時」と訳されるように,
カーペンターズの「今」をA面に並べている。
1. Sing ご存じの大ヒット曲
2. The Masquerade 大人のムードたっぷり1972年レオン・ラッセルの楽曲
3. Heather
5. I Can't Make Music
続いてB面が「あの時」
6. Yesterday Once Moreがあり,以下まさにあの時に聴いて心躍らせたオールディーズのメドレーとなる。
7. Fun, Fun, Fun ビーチボーイズ1964年
8. The End Of The World スキータ・デイビス
9. Da Doo Ron Ron (When He Walked Me Home)クリスタルズ Twist Uptown (Bonus Track Version)1962年
10. Deadman's Curve
11. Johnny Angel シェリー・フェブレー 1962年
12. The Night Has A Thousand Eyes ボビー・ヴィー1962年
13. Our Day Will Come「アワ・デイ・ウィル・カム」ルビー&ザ・ロマンティックス1962年。邦題は「燃ゆる初恋」。
14. One Fine Day邦題「素敵なある日」シフォンズ1963年
15. Yesterday Once More (Reprise)と続く。
となると
カーペンターズにとっての青春の曲は1962年辺りの曲だということになる。兄のリチャード・カーペンターは1946年10月15日生まれ、妹のカレン・カーペンターは1950年3月2日生まれだからリチャードは16歳頃でもう才能を開花させようとしていたし,この時,カレンは12歳頃だ。後の「ペットサウンズ」を出すビーチボーイズのブライアン・ウィルソンが頭角を現わしている時期にリチャードもカレンも熱狂していただろう。
私はカレンの声,特にアルトの低い声が絶品だと思っている。「イエスタディーワンスモア」の出だしの「When I was young」のWhen I was youngはカレンの声の魅力を知り尽くす兄のリチャードだからこそ,このキーから始まったと思う。とにかく坊主頭の15歳の自分が絶妙なメロディー進行や垢抜けたコード,コーラスの美しさで天にも昇る思いを4スピーカーで味わった感動は忘れられない。そしてすぐサイモンとガーファンクルにのめり込むことになった。
そうそう友だちのお姉さんは高校陸上部でやり投げをしていた。
お洒落な部屋で聴いた「ナウ アンド ゼン」
そのお姉さんとはあまりお話しすることもなく,彼女は高校を卒業して働き,結婚したという話を聞いた。
私は高校生になり,長髪にしてギターを手にした。