2017/07/02

今年のピークは6/27(下流部)
今年はいろいろとホタルについて考えさせられることが多いホタルシーズンでした。
まず上流部と下流部のピークが大きくずれていたことです。上流部と下流部は距離にして400m程度です。どうやら途中強い光がある街灯が3か所あって,直接道路を照らしている部分をホタルは嫌がり,Uターンしていく光景をかなり見ました。こうしたホタルの生息領域の分断化が進んでいるのではないかと思わされました。従って,その分断化がやがてピークの差になって現われ出ることになったのではないかと想像してみました。
次に昨年の8月30日の台風10号(大船渡上陸)でかなりの被害があって,土砂流入がひどく護岸も崩れてしまっていました。鱒淵でホタルを見始めてから10年ほどになりますが,これ程の変化は今年初めてだったでしょう。

北天の星とホタル
次に街灯の問題です。街灯の強い光が直接生息域に差し込んでいる状態はやめてほしいと思いました。まず上流の会館前の駐車場の街灯,次にホタル本部テントが立つ集会所駐車場の街灯,次に華足寺に向かう道路の橋の街灯が3か所です。街灯をなくせというのではありません。生息域側に光を遮断する板をつけてほしいのです。必要なところに光が届くようにすれば状況はかなり改善されると思います。
3つ目にやはりホタルバイパスの川側への遮光性の課題です。黒羅紗で遮光してありますが会館前で切れます。この部分の遮光性を高めることはホタルにとってよい環境にするために必要と思われます。黒羅紗で遮光してあるカーテンが切れたあたりから,会館駐車場までの草刈りをしないか,一回のみにすることで繁みができてかなり遮光性がよくなると思います。

交尾に入る
ちょっとマクロ撮影のためカメラの記憶ランプが点灯すると,どうしたわけが交尾を急ぐ傾向が確かめられました。また交尾していないメスを守ろうとする行為とも受け取られました。
また今年のホタルを振り返ると,ヒメボタルが極端に少なくなったことです。これも心配です。陸生のヒメボタルの環境をもう一度考えたいと思いました。
しかし,個人的に収穫も随分ありました。
まず,環境がよい形で保存され続けていること。ホタルの生態が少しずつ分かってきたこと。水生生物がまだ豊かに残っていることなどは素晴らしい環境にしている地元の方々のご苦労もあると思います。ホタルモドキも昼の時間の観察で確かめることもできました。個体の写真もかなり撮りました。ただ飛び立つ際の連続写真を撮れなかったことは来年の課題となりました。また卵の発見は最も大きな課題です。メスを捕まえて卵を産ませたらと言われましたが,やはり自然の状態で見付けたいです。何よりも卵からのスタートです。