2022/08/19
長沼の朝
さて毎日犬を連れ立って散歩をする日課だが,ラジオの聞き逃し放送を聞いたりしながら歩いている
以前は「朗読の時間」が多かったが,この頃は高橋源一郎の「飛ぶ教室」や土曜朝の「山カフェ」ラジオ深夜便の「深夜便アーカイブス」「明日へのことば」などをよく聞いている。30分から50分程度の時間が散歩によく合っている。この程度の時間を家事をしながら聞くことは実際難しい。というのも家事は細かい時間で次々とこなすためにラジオを聞く集中が続かなくなるのである。
長沼の
ハス講演,対談やインタビューといろいろあるが,連続した難しい講演でも話し手の力量で飽きることなく聴くことが出来る。
最近では特に考古学者大村幸弘氏の日曜カルチャー「未知の世界史を掘り起こす」全5回がおもしろかった。ヒッタイト帝國に魅せられた氏がどのように発掘にまで漕ぎ着けたのか奇蹟とも言える話である。番組紹介では「人類史上「最大の発明」の一つとされる製鉄の歴史。紀元前18世紀ごろ「ヒッタイト帝国」で最初につくられたというのが世界の常識でした。その通説を覆す発見をしたのが、トルコのカマン・カレホユック遺跡で発掘調査にあたる「中近東文化センター附属アナトリア考古学研究所」です。調査チームをけん引する考古学者 大村幸弘さんをお招きし語っていただく5回シリーズ。」とあった。単身で中近東に乗り込んだ氏の苦労の数々とその苦労をはね返す逆転劇が実に驚きの連続である。

頭を垂れ始めた稲穂
宮沢賢治は散歩の時に手帳を持って行き,思考しながら歩き,素敵な発見をしたときにすぐ書き込んでいたというが,自分も真似をしていた頃があった。雑然として浮遊している思考の断片らが違う次元で結びつく快感を得ることができた。まさに散歩の効用であり,歩行運動が思考には関連を呼び寄せて,まとめ上げる利点があると思った。
一方,一緒に散歩する犬にとっても,とても良い時間らしく,犬の見る方向を自分も見、犬の感じるものを一緒に感じることや興味をもったものを一緒に吟味したりする時間は何かとても尊いこととも感じられる。犬も大切な家族なのである。