2022/01/14

氷の造形 1月13日吹雪が止んで 蕪栗沼
今日は伊豆沼読書会での協議事項を載せます。
伊豆沼読書会では1月29日土曜日に「伊豆沼八景をつくる」話合いを行う予定でしたが,オミクロン株の感染急拡大のため,書面にての協議に変更することになりそうです。
そこでこの記事にて「伊豆沼八景をつくる」前提部分を提案します。
12月の会合では皆さんから私の伊豆沼の好きな場所を書いていただきました。1月はそこから話合いで煮詰めていく予定でした。

朝の飛立ち 1月13日朝 蕪栗沼
八景については昨年に長沼八景を紹介しました。昔から「瀟湘(しょうしょう)八景」の「平沙落雁,遠浦帰帆,山市晴嵐,江天暮雪,洞庭秋月,瀟湘夜雨,烟寺晩鐘,漁村夕照」という視点がで取り上げたわけです。この視点から選ばれた近江八景がまず第一の視点です。つまり「落雁,遠浦帰帆,山市晴嵐,暮雪,秋月,夜雨,烟寺晩鐘,漁村夕照」を基にして選ぶ方法です。
全国の八景を見ますと,必ずしも昔からのこの八つの視点にこだわることなく,人気投票やアンケートで決めることもできます。
私は更にこの八つの場所選定の視点をただきれいな景色だけではない,意義ある風景にできないかと考えていました。
その結果,「観無量寿経」というお経に掲げられている16の修法を八景の中に取り入れる方法を思いつきました。つまり出来上がった伊豆沼八景を実際に見て回ることがそのまま正観(物事を正しく見る方法)の習得となり,八景を見た人にとって「浄土への誘い」となるように組み入れてみました。
まず,「観無量寿経」というお経に掲げられている16の修法というのはどういう修法なのでしょう。説明してみます。
「観無量寿経」というお経はお釈迦様が弟子達に分かりやすく教えを説く様子が問答様式で書かれています。そこには,浄土の素晴らしいありさまや浄土へ往生するにはどうしたらよいか,そして浄土へ往生した人の幸せが説かれています。私たちが浄土を正しく思い浮かべ,どのような修養を重ねればよいかが書かれています。
その訓練は簡単に言うと,次のようになります。
1 日想 夕陽を見て,眼を閉じその夕陽を身体の中に取り入れる
2 水想 清らかな水を見て,その瑠璃色の水を身体の中に取り入れる
3 地想 広々とした大地を望み,その美しい大地の成り立ちを身体の中に取り入れる
4 樹想 美しい青々とした並木の中にいて,その樹樹の清涼さを身体の中に取り入れる
5 八功徳水 蓮の中にいる自分を思い浮かべその水の清らかさや光り輝く蓮の花の馥郁たる香などを身体の中に取り入れる
6 総観想
7 華座想 蓮の中にいる自分
8 像観 観世音菩薩,勢至菩薩などの姿を一つ一つ思い浮かべ,自分の身体の中に取り入れる
景色を見つめることでこれらの想観が積極的に促(うなが)されるような八景の地点を選定していけばよいわけです。具体的には以下のようになるでしょう。
1 日想 夕陽を見て,眼を閉じその夕陽を身体の中に取り入れる-
伊豆沼で夕陽が最も美しい場所2 水想 清らかな水を見て,その瑠璃色の水を身体の中に取り入れる-
伊豆沼で間近に水の美しさが感じられる場所3 地想 広々とした大地を望み,その美しい大地の成り立ちを身体の中に取り入れる-
伊豆沼全体が美しく眺められる場所4 樹想 美しい青々とした並木の中にいて,その樹樹の清涼さを身体の中に取り入れる-
伊豆沼で樹木を堪能できる場所5 八功徳水 蓮の中にいる自分を思い浮かべその水の清らかさや光り輝く蓮の花の馥郁たる香などを身体の中に取り入れる
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伊豆沼で,蓮の群生を体感できる場所6 総観想
7 華座想 蓮の中にいる自分
8 像観 観世音菩薩,勢至菩薩などの姿を一つ一つ思い浮かべ,自分の身体の中に取り入れる

ハクガンの凛々しい姿 今朝1月14日 伊豆沼
どうでしょうか。
景色を見てじっくり堪能することがそのまま浄土への誘いとなり,一人一人が正観を得る訓練ともなるという視点。
こうした八景の前提を読書会の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
これを読んで感じたことや日頃思っていること,八景についての意見をご連絡いただければそれをまとめて,また皆さんにお返しいたします。