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鳥三態『戦争捕虜となった美術品』

見返りフクロウ見返りフクロウ
オジロワシオジロワシ
アオサギ朝光アオサギ

 E君へ
 よかったね。オオワシもオジロワシも見られたんだね。がんばったかいがあったね。
 よーく見ましたか。飛んだときの羽の模様も見えたかな。動きはどうだった。オオワシとオジロワシとの違いはどう思ったかな。どこが一番違っていたと思う。すばらしいよね。やっぱり嘴なんかかっこいいね。見かけたら,またサンクチュアリーセンターから連絡してもらうようにするからね。

 今日の本
『消えた略奪美術品』コンスタンチン・アキンシャ&グリゴリイ・コズロフ 新潮社
消えた略奪美術品消えた略奪美術品
(1997/05)
コンスタンチン アキンシャグリゴリイ コズロフ

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 戦争によって,様々な美術品が戦争捕虜となり,戦利品となって戦勝国に持ち去られた。ナチスドイツが負けた後,ソ連の戦利品部隊は,ドイツ国内から数多くの美術品をプーシキン美術館に運んだ。プーシキン美術館が満杯になり,エルミタージュ美術館に運ばれ,そしてキエフ美術館にも運ばれた。その数数十万点,リストだけで数千ページに及ぶという。この辺りの事実は,ルパン三世の中に出てきそうな雰囲気でもある。戦争によって失うものは大きい。人命だけではなく,すべてのものを失う。文化や美術も全くその通りである。その大量の美術品を自国に運んでいる間に,ロシアは満州にいきなり侵攻し始めたのである。
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青空に消えていく声『灰色の北壁』

 夢の中でそっと誰かに呼ばれて,目が覚めた。
 誰の声だったのか。目覚めたときには覚えていたはずだった。暗闇の中には,その声がまだ丸く残っている。誰の声だったのか。囁くような懐かしい声がわたしの身体を包んだのだった。なぜ夢から呼び戻されたのか。それもその声によって・・・。夢の続きを止めた声は,わたしの名前を呼んだ。
雪煙上がる丘
 佐沼小学校のジョイントコンサートに行った。
 こどもたちの合唱の声に,夢の中で呼ばれた声を思い出した。とても懐かしい声。こんな声を忘れていた。どこかはかなげで,かよわいようで,輪郭がある。人間の感情にとても似ている。夢の中から聞こえてくるような気もする。こんな魅力的な声を聞いたことはなかった。そういえば,声を楽しみながら聴くことがなかったのだ。わたしは,その人の声を聞いて,あまりに,その意味を聴き取ることに慣れすぎてしまっていたのだ。声は誰かに発せられるためだけにあるのではない。自らの気持ちを囁き,歌い,青空に消えていく声もあるのだ。すばらしい声だった。
 第三部の演奏と合唱のジョイントは,音楽を楽しむ明るい雰囲気に満ちていて,幸せな気持ちになった。
佐沼小学校ジョイントコンサート
今日の本
『灰色の北壁』真保裕一 講談社
灰色の北壁灰色の北壁
(2005/03/18)
真保 裕一

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 真保裕一の名を知ったのは,『奪取』だった。偽札づくりの話だったが,とてもおもしろかった。そして山を描いた『ホワイトアウト』を書いた人なら『灰色の北壁』もおもしろいだろうと思って買った。
 この小説を読んで,思い出したのがエベレストに消えたマロリーのことである。マロリーがエベレストに登頂したのか,しなかったのかは,85年がたった現在でも謎のままである。1924年のことだった。マロリーの遺体が発見されたのはつい最近の1999年である。その遺留品の中に登頂を決定づけるものはなかったという。マロリーはコダックのカメラを持って,登った。そのカメラが見つかれば頂上での写真が証拠となるはずだ。しかし見つからなかった。
 『灰色の北壁』でも写真が鍵となっていた。
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