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小さな変化に寄り添う『虹の歌集』

空を見る木星を見る木
オリオン風車オリオンと風車

 現在,雪がどんどん降ってきています。明日の朝は今冬最後になると思われる,雪の朝を迎えます。楽しみです。
 机の上におかれていた「まど・みちお」の詩集を見ていたら「小さな門」という詩があった。

 小さな この門が
 半びらきに なっています


 このことばに目が止まった。
 残されてあるものの余韻が感じられる。見えないけれど確かなものが感じ取れる。そんな風合いがなんともいい。

 暖炉のある部屋にいる。何かストーブとは違う熱を感じる。ときどき木がはぜる音がする。木の濃い香りがする。炎で揺らめいて部屋の隅が暗くなったり,明るくなったりする。その光の変化で,部屋の奥行きが伸びたり縮んだりしているように感じる。さっきの木の香りとは違う焦げた木の香りが重く通り過ぎていく。

 こんな,小さな変化に寄り添うことはいいことだ。木が小さくはぜる音も大きく感じられるように,自分の小さな幸せも大きく感じられる。
 木の枝から雪が落ちる音。夜に漂うウメの花のかすかな香り。晴れた春の空の高いところで鳴っている風。枝が擦れ合う音。それらはかすかな音であり,香りである。しかし確かに感じ取れる。

今日の一枚
『虹の歌集』手嶌葵
虹の歌集虹の歌集
(2008/07/23)
手嶌葵

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 先日は手嶌葵『春の歌集』を紹介しましたが,今日は『虹の歌集』です。
 このアルバムもいいです。手嶌さんは独特の声の持ち主です。少ししめっていてそれほど乾いてもいない,妙に少女を思わせる憂鬱感を備えた,うつむき加減の色合いです。レースのカーテン越しの弱い光の雰囲気と雨上がりのもやにも似た景色を思い出させます。
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