FC2ブログ

さくらの家『』

さくらひなたぼっこ
さくらの家さくらの家

 やっと明日夜から晴れそうです。月齢は16。月が昇るところを満開の桜に入れる。天の川は月明かりで無理です。薄暮から月が低く昇るまでが勝負でしょう。

今日の本
『桜の樹の下には』梶井基次郎

桜の樹の下には屍体《したい》が埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故《なぜ》って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。
(中略)
 何があんな花弁を作り、何があんな蕊《しべ》を作っているのか、俺は毛根の吸いあげる水晶のような液が、静かな行列を作って、維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見えるようだ。
 ――おまえは何をそう苦しそうな顔をしているのだ。美しい透視術じゃないか。俺はいまようやく瞳《ひとみ》を据えて桜の花が見られるようになったのだ。昨日、一昨日、俺を不安がらせた神秘から自由になったのだ。


梶井基次郎 (ちくま日本文学全集)梶井基次郎 (ちくま日本文学全集)
(1992/01)
梶井 基次郎

商品詳細を見る
にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ
にほんブログ村