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夕立の前『おじいさんのランプ』

夕立夕立前
さよならさよなら
こんちはやっぱまた来たわ

暑い日が続いています。
どうか皆様ご自愛下さい。
家では,打ち水をします。少し気温が下がり,犬も涼しそうです。

今日の一冊
『おじいさんのランプ』新美南吉
有名な童話ですよね。ラストがとても印象的で,よく憶えています。
ランプ売りをやめようと決心した巳之助という主人公が,帰りの山道の池の畔で,売れ残った五十余りのランプすべてに火を点して,池の周りの木に架けていきます。
いい光景です。山の中の池の水面(みなも)に灯りが煌々と映ります。黒い木々も夜の中に浮かび上がります。そして石持て向こう岸のランプめがけて投げつけます。投げた石がランプに命中すると,パリーンという音が夜の世界に響きます。そして,灯りがひとつ消えます。
ランプという時代が終わっていく哀しさがしみじみと伝わってきます。ある文明の終わりにいる人々の愛惜の念がこの物語のラストに見事に描き出されているのです。そのラスト,早速読んでみましょう。
それから巳之助は池のこちら側の往還《おうかん》に来た。まだランプは、向こう側の岸の上にみなともっていた。五十いくつがみなともっていた。そして水の上にも五十いくつの、さかさまのランプがともっていた。立ちどまって巳之助は、そこでもながく見つめていた。
 ランプ、ランプ、なつかしいランプ。
 やがて巳之助はかがんで、足もとから石ころを一つ拾った。そして、いちばん大きくともっているランプに狙《ねら》いをさだめて、力いっぱい投げた。パリーンと音がして、大きい火がひとつ消えた。
「お前たちの時世《じせい》はすぎた。世の中は進んだ」
と巳之助はいった。そしてまた一つ石ころを拾った。二番目に大きかったランプが、パリーンと鳴って消えた。
「世の中は進んだ。電気の時世になった」
 三番目のランプを割ったとき、巳之助はなぜか涙がうかんで来て、もうランプに狙《ねら》いを定めることができなかった。
 こうして巳之助は今までのしょうばいをやめた。それから町に出て、新しいしょうばいをはじめた。本屋になったのである。


『新田 デジタル アーカイブス』設立について
ずっと考えてきたことなのですが,自分達の時代のふるさと,そしてふるさとの昔をきちんと記録として残していきたいと思っているのです。自分が趣味として写真をやるようになってからも,ふるさとの学校が,道が,昔の建物が,遊んだ山が,次々となくなっていきました。そして,私たちを育ててくれた人々もです。仕方のないことです。時代は変わったのさと思ってきました。でも一方では,大切なものや記憶がこのまま失われていっていいものかしら・・・と感じてもいました。
わたしにできること。みなさんのアルバムから昔のふるさとをお借りして,後世に記録として残すこと。これだったら少しできるかもと思いました。わたしのふるさとを残していこう。
いよいよ始動するつもりです。

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