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88年をへて賢治と見る星空

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誰でも新しい年を迎えて,今年はこんなことをしたい。こんなことに挑戦するぞと意気込んで目標を立てたりはします。そういう私も年が改まるたびに目標を立てたりしますが,残念ながら数日すると,その勢いはすっかり消えていってしまうという性格の持ち主です。
 宮沢賢治にとっても正月は特別な意味があったようです。
 そこで賢治の1月の動きを堀尾青史の『年譜宮澤賢治伝』から拾い出してみました。

1921(大正10)25歳 1/23無断で上京
1922(大正11)26歳 1/ 6詩作開始。のちの『春と修羅』になる
1923(大正12)27歳 1/4 トランク一杯の原稿を持って上京
1924(大正13)28歳 1/1『春と修羅』の刊行を意図し,「序」を書く
1925(大正14)29歳 1/5~1/8 異途への出発 三陸海岸を旅する
1926(大正15)30歳 尾形亀ノ助の『月曜』に『オツベルと象』発表
1927(昭和2) 31歳 『春と修羅』第二集の「序」を書く


 これだけ書いても賢治にとっての正月(1月)は新しい何かに向けて歩き出すスタートの月だったと言えるのではないでしょうか。賢治の新しいことに挑戦していくエネルギーは羨ましいです。

 そこで今日は1925(大正14)年の正月に,29歳の賢治は何を求めて旅に出て,何を見たかを「異途への出発」や「暁穹への嫉妬」という詩から賢治の見たを一緒にみたいと思います。大晦日なのにこんな重い話をとお思いかもしれませんが,よろしくお付き合いください。
 実はこの話は私が宮沢賢治のことでよく見ているサイト「緑いろの通信」にアップされていた12/29の記事をおもしろく読んで自分なりにつなげてみたいと思ったことがきっかけです。( そのページは こちら )

栗駒11.11 044-2gs
 まず,1925(大正14)年の正月明けの5日に賢治は旅に出ます。

 1/5 東北本線下り 21時59分発の夜行列車で、積雪の花巻を発って北へ向かう(「異途への出発」)。

   ・・・みんなに義理をかいてまで

   こんや旅だつこのみちも

   じつはたゞしいものでなく

   誰のためにもならないのだと

   いままでにしろわかってゐて

   それでどうにもならないのだ・・・    「異途への出発」から

正しくもなく,誰のためにもならない旅とわかっていてもどうにもならないと賢治は言います。
そして1/6未明に八戸で八戸線に乗り換え、6時5分に種市に到着。
徒歩または乗合自動車で三陸海岸を南下する途中、暁の空に百の岬が明けた(「暁穹への嫉妬」)。
まだ夜は明けていません。少しずつ空の明るみが増すブルーアウア(薄明の青い時間)の時間帯です。
その賢治が見た空を見てみましょう。(「1925/1/6の午前5時30分の空」 ステラナビゲータによる)

1925.1.6時30安家jpeg
南東の空に土が輝き,左下には低く金,左のさらに低いところで水。そして右に眼を移せばさそり座のアンタレスが輝いています。

 どうして「緑いろの部屋」のK氏は,この賢治の見た空を今取り上げたかと言うと,実際の今の時期の惑の並びと似ていて,88年前に賢治が見た空に近い空だと言っているようです。確かに1月のカレンダーを見ると,月が,土星,スピカ,アンタレスと次々と接近していくようです。

朝10.24 002s

そこで詩「暁穹への嫉妬」(明け方のそらへの嫉妬)を読んでみましょう。


暁穹への嫉妬        1925.1.6   

   薔薇輝石や雪のエッセンスを集めて、
   ひかりけだかくかゞやきながら
   その清麗なサファイア風の惑星を
   溶かさうとするあけがたのそら

   さっきはみちは渚をつたひ
   波もねむたくゆれてゐたとき
   星はあやしく澄みわたり
   過冷な天の水そこで
   青い合図(wink)をいくたびいくつも投げてゐた

   それなのにいま
   (ところがあいつはまん円なもんで
   リングもあれば月も七っつもってゐる

   第一あんなもの生きてもゐないし
   まあ行って見ろごそごそだぞ)と
   草刈が云ったとしても
   ぼくがあいつを恋するために
   このうつくしいあけぞらを
   変な顔して 見てゐることは変らない

   変らないどこかそんなことなど云はれると
   いよいよぼくはどうしていゝかわからなくなる

   ……雪をかぶったはひびゃくしんと
     百の岬がいま明ける
     万葉風の青海原よ……
   滅びる鳥の種族のやうに
   星はもいちどひるがへる

詩の中の大きく太字にした「ところがあいつはまん円なもんで
リングもあれば月も七っつもってゐる 」はまさしく土星のことでしょう。土星は今は60個ぐらいの衛星があると言いますが・・・。
「その清麗なサファイア風の惑星」も「青い合図(wink)をいくたびいくつも投げてゐた」土星を賢治は見ていたのです。
栗駒山10.14 018-2s

 しかし,賢治が見た88年前の明け方の空を今見ることができるということはすごいことですね。
伊豆沼
 明日の初日の出はこちら仙台で6時50分。晴れていたらすこし早起きして東の空を見てみたいですね。
8/31ブルームーン
いたたまれなく正月から旅に出た賢治。何を求めての旅だったのかわかりませんが,何かを始めよう。新しい自分発見しようとしていたことは確かでしょう。

明日の初日の出,海岸部は見られるようです。賢治と一緒に見る星空になります。88年の時は経ていますが・・・。


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12月の栗駒山

栗駒12.29 460s
春を待つ
 栗駒山を歩いてきました。今年の雪を踏みしめながらまだどこか木々の様子には秋を惜しむような気配が残っているように感じました。栗駒いこいの村までは除雪してあります。先客は2人のようです。
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雲間から光差す
 ブナの林の中をウサギの足跡を追いかけてあっち行ったりこっち来たりでいわかがみ平の手前でもうお昼になってしまいました。ワカンを履いて歩きましたが,柔らかい雪に深く沈みます。スキーやスノーシューの踏跡を辿っていったのですが,膝まで沈みます。ああ,スキーで来るんだったとつくづく思いました。そして,今のスノーシューって優れものなんだなあ,買った方がいいなあと思ったのでした。
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冬のブナ
 今年の栗駒山も終わりです。何回来たか数えてはいませんが,1月2月は殆ど晴れず,吹雪吹雪でした。吹雪の中ブナの林を歩いたりしました。そして晴れたのが2月下旬に1回。平日だったために赤く染まった栗駒山を見ながら仕事に行きました。土日しか登らない休日登山の私にチャンスが訪れたのは3月4日だったと思います。雪も程よくしまっていて雪原に寝転んで青空を眺めました。そして4月初めいよいよ春山。土日はスキーやスノボを担いだ人たちが沢山登ってきました。しかし,4月に入ると雪はもうザラメ状で汚くなっていました。
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ブナに許された光
 そしてブナの展葉と新緑の5月。雪解けを待っていたように咲き乱れる花々,私の最も好きな季節です。道のついていない湿原を見つけたりしました。そこはミズバショウとリュウキンカ,キクザキイチゲが所狭しと密生する天国のようなところでした。
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(5/6撮影)
 世界谷地のニッコウキスゲの花のピークは7月1日周辺でした。
世界谷地7.1-s
(7/1撮影)
紅葉は頂上付近が例年並みの10月初旬,それからは約1週間から10日ほど遅れて下りていきました。
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(10/14撮影)
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組み合わされた線
 来年は栗駒山の表掛けコース,裏掛けコースの登山道も復活します。また楽しみがふえるでしょう。
 来年は何を求めて山には入るのか。いや,山から私に何がもたらさけれるのか。私の栗駒山歩きは3年目に入ります。
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ブナの緑(5/20撮影)
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伊豆沼のジョウビタキ

朝12.24 299-2s
 これはジョウビタキのメスですが,このジョウビタキという鳥は本当に好奇心旺盛な鳥だなあと思います。いつもの通り伊豆沼の岸でカメラを構えていますと,何回も飛んできてまじまじと私を見るわけです。また飛んでいっては戻ってきます。明らかに私のテリトリーになんで勝手に入ってくるのよと言っているのですが,何ともかわいらしいこの小鳥は威嚇の凄みも感じられません。
朝12.24 308-2ss
 以前も 新春 鳥のかくし芸大会 と称して,このジョウビタキのメスを紹介しましたが,全く違う場所のジョウビタキがカーブミラーに映った自分に激しく戦いを挑む場面でした。
オスはというと黒と頭の白と胸のオレンジが見事です。
ジョウビタキ
やはりオスも好奇心旺盛で自分のテリトリーを見回り,木のてっぺんで侵入者の私を見ていました。しかし,やはりメスの方が強いというか,大胆に近くまで寄ってくるようです。まあ,かわいいので悪い気はしませんが。
朝12.24 379-2s
 おっと睨んでいますね。微妙に目の周辺にしわが寄っていると睨んでいるように見えます。
 伊豆沼では,今シジュウカラ,エナガ,カシラダカ,シメ,紅マシコ,ジョウビタキ,雪が降った後にはタゲリなどが見られます。

 カメラマンが並ぶ獅子が鼻は現在工事中ですので,ご注意ください。マガンは7万2千羽,ハクチョウは2千5百超です。なお,いらっしゃったら是非伊豆沼,内沼サンクチュアリーセンター新田館にお寄りください。「伊豆沼の自然と野鳥展」開催中ですし,地元の新田中学校の「ネイチャーフォト写真展」も同時開催中です。お待ちしております。

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