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栗駒山の春-その環境で最大限に生きる-

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曇ってきたブナ

与えられた環境で最大限に生き続ける。
それが自然の姿ではないでしょうか。
歩く度にその自然界の絶妙なるバランスに驚かされます。

野鳥の森 1224s
春を告げるミズバショウ

雪が多い年は静かに待ち,自分でも熱を発しながらその生育場所を広げ,短い期間での開花を調整します。

野鳥の森 1341s
咲き始めたツツジ

チャンスを逃さず,一斉に咲き始めます。

春の湿原 377s
ペアで

あるところは群生し,あるところはペアで,またあるところでは一人で・・・。
静かに花を広げ,自分の生を全うします。
次のライフステージを考えながら,咲く花の数も自らが調整します。花付きの良い年もあれば悪い年もあります。場合によっては性転換する花もあります。

野鳥の森 1129-2s
ブナの展葉と開き始めた湿原

「暗い,暗いと不平を言うよりも,進んで灯りをつけましょう。」
子どもの頃,ラジオで休みの日の朝に聞こえていた言葉を思い出します。
わたしはこの言葉を「自分から進んで灯りをつけることで世の中を明るくしていこう」と曲解して覚えていました。それはそれでよかったのかもしれません。

野鳥の森 144s
ブナ 展葉の盛り

思想の書き直しをしたミシェル・フーコーは晩年に「自己への配慮」ということをよく言っていました。人間は抑圧されているから解放をとか,自由への闘いとか,プレッシャーとか,人間の疎外とか,資本主義体制の危機とか,自分の周りは敵ばかりと断じ,敵を作り続け,その敵を恨むという人生の書き方ばかりをしてはいないだろうか。フーコーはただおのれへの反省と自己のコントロールこそが大切なことだと考えた。そして自己への深い思慮を義務づけ,自分の欲望を管理することを「生の技法」として生きた。自由を求めることは自分の感情や欲望をも管理できる人のことだと言う。

そう思って自然を見ると動物や植物が行っているバランスの取り方は実に巧妙で学ぶところも多い。
どうしてに行くの?と家族はそう私によく聞くけれど,私は自然の中で絶えず自分の書き直しを続けていきたいと思っているからにいくんだよと言いたいのだと思う。

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菅江真澄の描いた栗駒山-勝地臨毫雄勝郡-

    勝地臨毫雄勝郡の呼称現在の呼称
 甲  剱峯 背剱峯剣岳
 乙大門長嶺天馬尾根
 丙藤沼昭和湖か
 丁朱砂泉(シュヌマ)須川湖
 戊秣箇岳秣岳
栗駒山画像
菅江真澄が描いた「勝地臨毫(しょうちりんごう)雄勝郡(おがちぐん)」
秋田雄勝郡の名勝スケッチ集という意味になるでしょう。そして栗駒山に関係する図版は九枚あるそうです。上の絵はその中の一枚です。

文化中頃には彼は領内地誌取調方になります。菅江真澄が栗駒山に登ったのは文化十一年(1814)の八月のこと。彼は61歳になっていました。栗駒山へのアプローチは赤川沿いを入っています。現在の東成瀬村檜台村を通って須川温泉に着いています。そして立ち並ぶ奇岩の剣岩を通り尾根に上がり(天狗の相撲取り場)から栗駒山の頂上に立ちました。そして下りてきてから「御室(おむろ)」と呼ばれている垂直に立ち並ぶ屏風のような岩の下にある駒形根神社の奥宮を訪れています。この駒形根神社の本宮は今でも宮城県栗原市の沼倉地区にあります。丁度羽後岐街道の宮城側入り口に当たるところにあります。

さて絵を見ると甲乙丙丁と朱書きされ,甲-剱峯 背剱山,乙-大門長嶺,丙-藤沼,丁-朱砂泉(シュヌマ),戊-秣箇岳と名前が記されてあります。
この記述を今の地名に置き換えれば 冒頭の表のようになるでしょう。


栗駒星 257s
影栗駒

とてもおもしろいですね。今は2014年ですから菅江真澄が登ってこの絵を描いたのが,丁度200年前の1814年です。
アルプスに人が入る前にもう栗駒山には調査のため菅江真澄が登頂して絵を描いているわけです。

さて次の絵は御室から見たところでしょう。

栗駒山御室画像
これも現在の呼び名と比べてみましょう。
 
勝地臨亳雄勝郡の呼称現在の呼称     
甲  駒形根神社駒形根神社奥宮
石室向南御室
勅宣駒形大明神というお札
駒形嶽への道天狗の相撲取り場から天狗岩への道
駒形嶽雪渓御室前雪渓
独沽が森独沽ヶ森
櫃椀ノ嶽櫃が森
牡鹿郡伊奈瀬川曽波神水源へ           御沢

このようになるでしょうか。
野鳥の森 262-2s
雪から顔を出したブナの根

菅江真澄の存在の大きさを現代で再発見したのは柳田國男の業績に依ると処が大きいでしょう。
柳田國男には「菅江真澄」 という大著があり,詳しい年譜もある。私が読んだのは,ちくま文庫「柳田國男全集3」のものです。
柳田国男全集 全32巻セット柳田国男全集 全32巻セット
(1994/03)
不明

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また,深野稔生氏の「山遊びり山語り」も多いに参考になりました。
深野稔生の宮城山遊び山語り―Walking in the mountain mind (栗駒・船形編)深野稔生の宮城山遊び山語り―Walking in the mountain mind (栗駒・船形編)
(1999/11)
深野 稔生

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野鳥の森 345-2s
ブナ展葉の時

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