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長沼-春の朝-

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長沼-春の朝-

対象を見つめて見つめて,見つめ切ったその奥に何が見えてくるのか。
どんな景色が見えてくるのか。

「出家とその弟子」を書いた倉田百三は,一燈園で「見つめる」という行為に取り憑かれ,とうとうノイローゼになってしまいました。
美しい風景というよりは,日常の景色を美しさまで昇華させていく見つめる行為が写真をつくる作業となるのでしょう。

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咲き始めたウメ

東山魁夷は,日本人の美意識をマクロに見る眼にあると,「風景との対話」で言っていました。ズームアップして微細なものに美を発見する能力に優れていると言えます。その認識方法が俳句に結実しているのでしょう。しかしその方法がそのまま写真として使えるかというとそうでもないところがあります。というのも写真には陰翳が通奏低音のように鳴り響いている部分があるからです。
様々な考え方があるでしょうが,俳句にはものの輪郭を際立たせる効果があり,陰翳によって輪郭を際立たせるという方法は写真独特の手法かもしれません。谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の魅力がそのまま写真に適用させたらどうなるか,この辺りがとても興味深いところです。

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一本の樹

出家とその弟子 (新潮文庫)出家とその弟子 (新潮文庫)
(1986/11/14)
倉田 百三

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風景との対話 (新潮選書)風景との対話 (新潮選書)
(1967/05)
東山 魁夷

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陰翳礼讃 (中公文庫)陰翳礼讃 (中公文庫)
(1995/09/18)
谷崎 潤一郎

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明治期からの風景認識論を書いた本はないでしょうかね。興味があります。


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