月に思う

満月-2s
今夜の月 満月

山頭火という人は不思議な人です。

昭和11年5月のことでした。
山頭火は,山形県鶴岡市に入りました。鶴岡の和田光利(あきとし)の家に泊まっていました。
ある日のこと,山頭火は浴衣に手ぬぐい一本下げて,銭湯に行ってくると言って和田の家を出ました。
そしてそのまま行方不明になったのです。
和田は必死に山頭火を探しました。しかし見つかりませんでした。山頭火が見つかったのは仙台でした。仙台の俳人佐藤露江の家にひょっこり顔を出したのでした。昭和11(1936)年6月24日だといいます。彼は鶴岡から浴衣に手ぬぐい一本下げて,仙台までとぼとぼ歩いてきたのでした。
そのまま4日間仙台にいて,平泉にも行きました。平泉,鳴子に行っています。

その平泉で詠んだ句が
「ここまで来し水飲んで去る」
このあとの6/29鳴子に泊まっています。
よびかけられてふりかへったが落葉林

あてもない空からころげてきた木の実

月へひとりの戸はあけとく

彼の句には,どうしようもなく独り身であることの「さみしさ」が語られます。「遊離してやまない魂の姿」は,月に対しているときに特に刺激されていると言っていいかもしれません。

さて,山頭火が鶴岡から忽然と姿を消して,仙台にたどり着いたのが昭和11(1936)年6月24日といいますから,満月(この年の6月の満月は5日)をはさんでの前後に鶴岡から仙台までを満月近くの月明かりにさそわれて,歩き出したに違いありません。つまり鶴岡から夕刻東に出始めた満月を見て,東へ東へと憑かれたように歩き出したのかもしれません。

明日は十六夜の月。
十六夜の月の話をします。

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