栗駒山-春湿原に居て-

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栗駒山春湿原に居て-春ですよ-

今年の雪解けは例年より遅いようです。例年ですとこの雪から顔を出す湿原の面積はこの倍くらいになっているのです。一週間遅れくらいでしょう。とはいえミズバショウとリュウキンカは早起きの花をつけていました。ほっとします。湿原の雪の上には様々な動物の足跡がついていました。カモシカや小動物の足跡が殆どでした。芽を食べに来たのでしょう。

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栗駒山春湿原に居て-ミズバショウたちの歌-

雪解けの時期で湿原の開口部がこんなに小さいのはここ十年の中では3番目くらいでしょう。ある年などは全く湿原が見えないほどの年もありました。案外林の中は荒れていませんでした。ということは2,3月にドカ雪や猛烈な嵐が少なかったということになります。ドカ雪や嵐で枝が折れたり,倒木すると春前に天候は荒れたことを示しています。沢の雪の埋まり具合や林の根回りの窪んだところにたまっている葉っぱなどを見てもその冬の様子を知ることができます。ブナの根回り穴にはきれいな葉っぱが残されていました。強い雨などで穴の奥に流されていったことではないようです。

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栗駒山春湿原に居て-雨のブナ林-

私は春を告げる山に入るのを毎年楽しみにしていますが,その楽しみに湿原めぐりとブナの展葉があります。いつも自然の爆発的な生きる事への喜びが満ちあふれている姿に圧倒されます。

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栗駒山春湿原に居て-ヤマザクラ-

シャーロックホームズのように林の中を歩き回り,その葉や小動物の痕跡に一喜一憂しながら時を過ごします。すべての生きている証を推理します。
ここの雪解けが早いのは沢沿いの水が集まるからだ。ははあ。シカはここを通り,あのリュウキンカの芽を食べたんだな。この葉はこれだけ雪の層に埋まっているから12月の雪で落ちたんだな。湿原のあの隅にはかなりの葉がたまっていた,どうやらこの湿原を抜ける風はあそこまで葉っぱ達を運んでいくんだな。
こうした事を考えながら,雪に寝そべってみたり,雪に埋もれた暗い沢をのぞきこんだり,クマの足跡をたどってみたりします。

私たちはよく言います。
「自然を大切にするんだよ」と。
こんなことばかり言っていないで,出かけていきましょう。そうすれば全ての生き物のしたたかな知恵を感じ取ることができます。そこから自然の中に生きる物達への共感や尊敬が生まれるでしょう。その感情がそのまま自然を大切にすることへ直結します。大切なことはただ教えを守ることではありません。同化して,共感して,尊敬して,畏怖する感情です。


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