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くねんめのつき

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3.11の冬の最後の満月

元気でいますか。
私は,祈る時にはいつも一人だけで祈ります。今日も一人です。一人で祈った方が心を込めて祈ることができるような気がしています。あなたと向かい合えて二人きりで話ができます。
あれから九年の歳月が流れました。
私は前よりも少しおいしいコーヒーが淹れられるようになりました。
水を大切にすることが出来るようになりました。自分でできることが多くなりました。前よりもみんなの幸せを願う気持ちが強くなりました。飼っている犬と一緒に幸せになりたいと思えるようになりました。自分がご飯を食べる前に鳥にもご飯をあげます。鳥たちが庭でご飯を食べるのを見ながら自分も箸を取ります。昨日は満月でしたがひどい降りの雨の一日でした。冬の最後の満月を今朝見ました。ワームムーンと言うのだそうです。久し振りに見た満月は大きく美しく見えました。背の高くすんなりと立ったようなたウメの花の香りがどこからか朝の層を伝って流れてきました。満月はやがて晴れて薄く青い空の中に白く滲んで見えなくなりました。すこしさみしく思いました。

建礼門院と言うと壇ノ浦で竜宮城に沈んだ幼子安徳天皇の母である。
その建礼門院にひたすら憧れて側に付いた建礼門院右京太夫の文章に出会った時にさぞ建礼門院という人は素晴らしい方であったろうとしみじみ感じ入ったことがあった。
十二月一日頃だったろうか、夜になって、雨とも雪ともなく、ぱらぱらと落ちて来て、叢雲があわただしく往き来し、すっかり雲に覆われはしないものの、ところどころ星が消えたり光ったりしている。私は衣(きぬ)を引き被って横になっていたが、夜が更けた時分、丑二つ(午前二時半)頃かと思った時、衣をどかして空を見上げると、みごとに晴れて、薄藍色の夜空に、異様なほどの光を放つ大きい星々が、いちめんに現れていた。非常に心惹かれるさまで、縹(はなだ)色の紙に、金などの箔を散らしたのによく似ている。今夜初めて見たような気がする。今までも、星月夜は見慣れてきたけれども、これは折も折とて、格別な気持がするにつけ、ただ物思いに耽るばかりである。
月をこそながめなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる(家集252)
このような文章が書ける右京太夫という女性も素晴らしいが,その右京太夫がひたすら憧れ続けた建礼門院という女性はいかばかりかと思った。壇ノ浦ではおばあさんの時子に抱かれて水の中の都(竜宮城)へ旅立った安徳天皇だが,徳子(建礼門院のこと)は我が子の安徳天皇と平家一門の菩提を弔うことを母の時子からきつく言われ,生き延び捕らえられて寂光院に入った。もう血のつながる者は全くいなくなったこの世で子を思い,父母一族を思う建礼門院は命果てるまで先に死んだ者達への祈りに一生を捧げ尽くした。

今ならこの建礼門院の悲哀もしみじみ感じられる。
お元気ですか。
あれから九年の月日が流れました。
この月を眺めながら今日も一人で祈っています。




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