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誰もいない朝 小栗康平による「死の棘」

ガン1209誰もいない朝 NikonD300 300mm2x F5.6 1/200 ISO800 -0.3
出漁出漁 NikonD300 300mm 2x F3.5 1/2500 ISO800 -1.3

 このごろは撮影の場所を変えて,誰もいない場所にこっそりと三脚を立てて,日の出が遅くなった朝を楽しんでいます。このように一人だけで自然に対していることが好きで,ただぼーっと日の出を迎えることを無上の楽しみとしているのです。今まで人を案内して雁の飛び立ちを解説もしましたが,ただ黙ってその人の感じるままに見てもらうのが一番よいことだと気付いてからは案内もやめました。相手のことを考えすぎて,いらない説明までしてしまって疲れるのです。望遠レンズで彼方の細やかな光の変化に気をつけながら,シャッターを押すだけです。

 今日の映画
 小栗康平  島尾敏雄による「死の棘」(1990) 
 この映画は伊豆沼が出てきます。ラスト近くどうにも立ちゆかなくなった主人公の前に突然の心理描写として,もうもうと立ち上がる朝靄の中から雁の群れが飛びだちます。それを画面いっぱいのアップでねらいます。突然の描写でなんのつながりもなしにガンの飛び立ちが現れるのです。その唐突さに人間の悩みとはかけ離れたところで営々と続けられる自然の営みが浮かび上がります。これは人間の孤独の新しい表現だなと,わたしは思ったのでした。
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