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11/9今朝の伊豆沼-白い鳥-

伊豆沼晴れた朝 1090-2s
立冬を過ぎた今朝の伊豆沼は氷点下となりました。
雲一つない青い空。美しく引き締まった空気でした。

いつも通りに白い鳥は飛んできました。

伊豆沼晴れた朝 1138-2gs
冷たく引き締まった空気をたたいて助走し飛びだちます。
その音は朝の静けさを押さえつけるように響き渡ります。

伊豆沼晴れた朝 1287-2-2gs
飛び立つとあいさつするように,こちらに向かってきます。
近づくと私はシャッターを押しながら,左手を軽く挙げます。「やあ。おはよう。」という仕草です。

伊豆沼晴れた朝 1136-2s
さらに近づいてきます。
ファインダーを覗くこちらの姿をちらりと見ると,彼らは自分のルートを確かめるようように頭を向けて旋回して行きます。彼らなりの「いってきます」の挨拶だとわたしは勝手に思っています。

伊豆沼晴れた朝 934-2s
中にはわざわざ戻ってくるものがいます。
テスト飛行をしてみたのでしょうか。

伊豆沼晴れた朝 1292-2s
大きく力強い羽音で飛び立った後には,朝日に浮かぶハクチョウの羽が天から静かに舞い降りてきました。


賢治の妹のトシが死んで,賢治は丸々六ヶ月ペンを持ちませんでした。書けなかったのでしょう。そして翌年六月
初めて書いたのが「白い鳥」です。ハクチョウの飛ぶところの描写ですが,二羽です。二羽並んで飛んでいると賢治は書きます。たった一羽だけでも詩にはなります。そしてその一羽だけだったら,そのハクチョウは死んだ妹のトシです。
しかし賢治は二羽と書きました。妹一人だけ逝かせることが忍びなかったのでしょう。自分も妹のそばに寄り添って飛びたかったと賢治は考えたのでしょう。
二疋の大きな白い鳥が
   鋭くかなしく啼きかはしながら
   しめつた朝の日光を飛んでゐる

   それはわたくしのいもうとだ
   死んだわたくしのいもうとだ

   兄が来たのであんなにかなしく啼いてゐる

     (それは一応はまちがひだけれども
      まつたくまちがひとは言はれない)

   あんなにかなしく啼きながら
   朝のひかりをとんでゐる

     (あさの日光ではなくて
      熟してつかれたひるすぎらしい)

   けれどもそれも夜どほしあるいてきたための
   vague(バーグ)な銀の錯覚なので
     (ちやんと今朝あのひしげて融けた金(キン)の液体が
      青い夢の北上山地からのぼつたのをわたくしは見た)

   どうしてそれらの鳥は二羽
   そんなにかなしくきこえるか
   それはじぶんにすくふちからをうしなつたとき
   わたくしのいもうとをもうしなつた

   そのかなしみによるのだが

      (ゆふべは柏ばやしの月あかりのなか
       けさはすずらんの花のむらがりのなかで
       なんべんわたくしはその名を呼び
       またたれともわからない声が
       人のない野原のはてからこたへてきて
       わたくしを嘲笑したことか)

   そのかなしみによるのだが
   またほんたうにあの声もかなしいのだ
   いま鳥は二羽、かゞやいて白くひるがへり

   むかふの湿地、青い芦のなかに降りる
   降りやうとしてまたのぼる
全文ではありません。抜粋です。


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