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下弦の夜『闇の見方』

下弦の夜下弦の夜
NikonD300 12mm F4 48sec ISO640

静かな夜です
まるで凪の夜に見る深い夢
生まれる前に戻る眠り
誰もいなくなった部屋で
静かにまわる扇風機
沖を流れる霧
深海へ落ちていく声

今日の本
『陰翳礼讃』谷崎潤一郎 中公文庫
ブログの更新のために本棚から毎日一冊の本を取り出します。無上の楽しみを感じるときです。今日は谷崎の『陰翳礼讃』です。ある日,谷崎の『美食倶楽部』を読んでひどく感銘を受けました。暗闇の表現が卓抜でした。そこで,この『陰翳礼讃』を読んだのでした。

「・・・大きな衝立の前に燭台を据えて畏まっていたが,畳二畳ばかりの明るい世界を限っているその衝立の後方には,天井から落ちかかりそうな,高い,濃い,ただ一と色の闇が垂れていて,覚束ない蝋燭の灯がその厚みを穿つことができずに,黒い壁に行き当たったように撥ね返されているのであった。諸君はこう云う「灯に照らされた闇」の色を見たことがあるか。それは夜道の闇などとは何処か違った物質であって,たとえば一と粒一と粒が虹色のかがやきを持った,細かい灰に似た微粒子が充満しているもののように見えた。」(P44)


見事な闇の表現です。このように書ける人はいません。すばらしいの一言です。
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