FC2ブログ

クラゲの不思議-アカルイミライ-

酒田行き 022s
光るクラゲ
山形県鶴岡市加茂水族館のクラゲドームが有名になって,友達と藤沢周平文学館と合わせて行ってみた。

クラゲが一杯ゆらゆらと泳いでいたが,そういえば黒沢清の映画「アカルイミライ」(2002)にもクラゲが出てきて,映画のラストは河口一杯にクラゲが光っていたのを思い出した。クラゲがとても印象的に使われていた映画だった。

アカルイミライ
黒沢清「アカルイミライ」のワンシーン

ところでクラゲを見ていて,光っているではないか。それも虹色に・・・。
どうしてクラゲは光るのだろう。そんなことを考えた。ホタルの撮影などしていて,自ら光る生き物(バイオルミネッセンスと言うらしい)の不思議を感じているのですが,クラゲもやはりきれいに光ると本当に不思議に思う。暗闇の中で生きている生き物がどうして自らが光を発しているのか。調べてみると深海の生物などはやはり暗闇の中に生きている。Wikiによると概算ながらと前置きしながらも
500m以深に住む魚類の90%、十脚類(エビ・カニ類)の40-80%(水深500-1,000m)、オキアミ類の99%(表層-1,000m)、カイアシ類の20-30%(表層-1,000m)が生物発光すると見積もられている(すべて種数ではなく個体数での割合)[2]。ほとんどの場合、深海生物による発光色は青か緑の波長であり、この波長は海水をよく通過する。しかし、一部のワニトカゲギス目魚類は赤色や赤外線波長の光を発するし、多毛類の Tomopteris 属は黄色の生物発光を行う。
これはかなりの高い確率で生物発光が見られることを示していますね。むしろ淡水でのホタルの発光は珍しいとも書いてあります。

「光ることでどんな役に立つのか。」という,よく発せられる質問をすれば,アンコウのように餌をみつけるためとか,ホタルのように異性を誘うためとか,威嚇のためとかよく言われます。しかし,光ることは存在を誇示することと同時に異性などの相手には見つけられやすくなるという利点もありながら,捕食者にも見つけられやすくなるという矛盾にぶつかります。このことをどう解釈したらよいのでしょうか。とりあえずは水深500m以下の生き物の生物発光がこんなにも高い確率で起こっているということは進化上安定した戦略であるといっていいのではと思いたくなります。
つまり,生物発光することが欠点を補ってもあまりある多くの利点として働いているということです。

酒田行き 024-2s
虹色に光る

でも水族館で見たクラゲは上から照明を受けています。
この照明に反射しているのではと思ってしまいました。照明を切ったらどれくらい光るのでしょうか。

そう思ったのは,太陽の光を受けて光るということも生き物にはあるからです。
構造体として反射光として光ることもあれば,回折光として虹色に光ることもあるのではないでしょうか。アトラスなどきれいに輝くのは外側を覆っている外殻の構造が細かい条線の構造で回折するからでしょう。ある一定の狭い角度でしかその色を識別できないようになっていると思います。こう考えると,生物発光だけではなく陸上の生き物でもかなり光に対して巧妙な適応をしていると思います。自分が暗闇の中で光る必要がなくても,陸上でも自分を光り輝かせる構造を持った個体がいっぱいいるように思います。

酒田行き 036-2s
不思議な発光

どうしてこんなにも光り輝かなくてはいけなかったのか。

逆に言えば,生き物の眼の発達が急激に進化に関与してきたのではないか,その時期というのが緩慢なる進化ではなく一気に眼の働きが鋭敏化する生物史が生命全史を塗り替えることになったのではないか。それに応じて生物発光の歴史が見る側と見られる側から解明できないだろうかという研究がアンドリュー・パーカーの「眼の誕生」でした。この本は刺激的でした。
眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く
(2006/02/23)
アンドリュー・パーカー

商品詳細を見る


私はこの本をブログの中でも何回か紹介してきましたが,何度も読み返しては新しい刺激を受けています。
ホタルが光るのを見てはこの本を出し,今回もクラゲが光るのを見てはこの本をまた開きました。彼は動物門が一気に多くなるカンブリア紀が眼の誕生する時期で,眼が誕生することで生き物が一気に相手を正確に,正しい輪郭で見ることで敵か,餌か,異性かを見極めることができるようになったと説きます。これを「「光スイッチ」が入った。」と言います。おもしろい発想です。

DSC_0062s.jpg
圧巻のクラゲの巨大水槽

眼の発達というスイッチが入り,後の進化の歴史を大きく変えていった。
それにしてもクラゲを見ていて,どうしてこんな形で,どうしてこのようにきれいに光っているのだろうと思わずにはいられない気持ちになりました。
今度は一日ゆっくりと水族館で光るクラゲを見てみたいです。


クリックしてね
にほんブログ村 写真ブログ ネイチャーフォトへ
にほんブログ村
関連記事

トラックバック

ケノーベルからリンクのご案内(2014/08/17 08:57)

鶴岡市エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。