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廃墟からの旅立ち-仙台での佐々木喜善-

朝靄の伊豆沼 277-2s
廃墟からの旅立ち

あまりこうした写真を載せないんですが,やっぱり鉄道も好きなんです。
こういう写真もありですかね。

今朝の伊豆沼は雨です。

今日の本
幽霊記 (新人物往来社文庫)幽霊記 (新人物往来社文庫)
(2010/07/07)
長尾 宇迦

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このブログでもマヨイガ,津波の話など遠野物語の話をして,柳田國男や佐々木喜善の話を取り上げてきました。そして最近は佐々木喜善の視点からその周辺を見るようになりました。つまり柳田國男には見えない部分の佐々木喜善に興味をもったのです。柳田國男を慕いながら,佐々木喜善が自分なりに小説の道を歩もうとする姿や仙台に引っ越ししてからの仕事。喜善の志・不作に悩む苦しい東北の時代・宮沢賢治との交流等汲み尽くせぬほどの魅力があります。
資料から割合に忠実に喜善の一生をなぞったのがこの「幽霊記」になります。そこで取り寄せて読んで見ました。この長尾宇迦という作家を読んで初めて知りました。wikiでは
長尾 宇迦(ながお うか、1926年2月3日 - )は、日本の作家。

大連市生まれ。本籍山口県。本名・豊。國學院大學卒。盛岡市で高校教師を務める。同人誌『東北文脈』を発刊、1958年「白い寒波」で岩手日報新聞小説賞、1964年「山風記」で小説現代新人賞受賞、1971年初の著書を刊行、1987年「幽霊記―小説・佐々木喜善」で直木賞候補。歴史に埋もれた人物を描くことが多い。
と,紹介されていますが初めて知りました。「幽霊記」の文庫本の解説を書いた今は亡き佐々木篁氏に依れば本拠地岩手で「大正十三造・三好京三・長尾宇迦の三人で「三人の会」を結成し,「東北文学」を発行した。大人が読んでも面白く,そして人生観照を求めて書く」という流れだったらしい。

実は先日仙台に行った折に佐々木喜善が家族全員で遠野から引っ越してきたところに行ってみました。

川内大工町 039s
川内大工町

佐々木喜善一家が遠野から仙台に移り住んだのは昭和4(1929)年厳寒の底の2月4日でした。住所は「川内大工町73」
その場所をそのころから85年経った今尋ねてみました。

川内大工町 010s
昔ながらのたたずまいの家もありました

この界隈は仙台二高に隣接していて美術館がある閑静なところです。赤門自動車学校の近くで2分も歩けば広瀬川の流れを見られる場所です。
ふと,どうして喜善はこの場所を選んだのかなあと思いました。
長女若は脊椎カリエスで寝たきりの状態だったし,喜善自身腎臓病を患い東北大病院に通っていたので病院に通いやすい場所と思ったのかもしれません。また文献の探索のために東北大の図書館も近くです。当時東北大にいた「東北文化研究」を創刊し,喜善のオシラサマの研究を載せた喜田貞吉が近くだったということもあるかもしれません。仙台に移り住むことで喜善は自身の研究の集大成を考えていたことは確かです。柳田國男から離れ,佐々木喜善自身の学問を立てようとした仙台は苦しくても充実していました。
あれほど遠野の家を手放すことを渋った養母イチもそんな喜善の姿に村長の時よりよい仕事をしていると満足していたのではないでしょうか。妻マツノはリヤカーで駄菓子をうって生計を立てていました。

川内大工町 002s
川内大工町72の住所のアパート。このとなりに喜善の家,大工町73があったはずです。

結局ここの家は昭和6年11月16日に出ることになります。家賃滞納です。重なった長女若の死によって悲しく閉じられることになります。2年9か月ばかりの居住でした。しかしこの時期に喜善は河北新報に連載小説「赤松庫吉」を半年150回にわたって書き,582ページの大著「聴耳草紙」を発刊,開局したばかりのNHKラジオ仙台放送局で全20回の番組「東北土俗講座」を企画運営もしています。この放送には柳田國男,折口信夫,金田一京助,三原良吉,天江富弥,中道等,刈田仁,藤原非想庵などの匆々たる面々が協力してくれました。

次に移り住んだ「成田町116番地」では民間伝承学会を立ち上げて行きます。
佐々木喜善はこの場所からも移り,小田原清水沼通5に居を構えて仙台で亡くなるまで計3回の引っ越しをすることになりました。

平成19年3月24日(土)遠野 029-2s
春先の遠野の田んぼ


さて私は今日敬老会の写真撮影が終わったら遠野に行こうと思っています。
佐々木喜善の全集から資料をみつけたいと思っています。


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