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雪の思いで『宮城道雄-春の海-』

吹雪の散歩道吹雪の散歩道
樹影樹影伸びる
吹雪1吹雪の朝

 お正月は吹雪で始まりました。1日では収まらず,2日の午前中まで続きました。やっと太陽が顔を出しました。さんぽ道は吹雪の吹きだまりとなり,雪が40センチ以上積もった状態となっています。元旦登山をした方なんて大丈夫だったんでしょうか。遭難しないことを祈ります。何とか年賀状も出し終わり,このプログを更新しています。こちらの名物の初売りにはまだ行っていません。
 さて,今日は雪の日の思い出を話しましょう。少したっぷり雪が降ると,まわりの音が雪に吸い込まれるのか,とてもしんとした朝を迎えます。この世が静まったように音が消えてしまうのです。まるで凪の海の真ん中にぽつんと一人取り残されたような心持ちになります。そこに日が差してきます。障子が真っ白に燃えるように輝きます。この白さは上から来る光の白さではなく,雪に反射して来る,下からの光も入るからです。静かで光だけが輝く世界になります。
 夜になりますと,しんとした世界がどんどん空から冷えていく感じがわかります。放射冷却ですね。特に月が皎々と照る夜は,いやに遠くまで見渡すことができて,世界が凍り付いていくのがわかります。こたつで暖めた寝巻をすぐふとんに移してもらいます。すると暖かく眠ることができます。雨戸の節穴からさっきの月の光が帯状になって座敷に差し込んでいます。すると,屋根上で突然,大きな音がします。屋根に積もった雪が滑り落ちる音です。そしてその音は地面に圧縮されるように雪の中に消えていきます。竹林からもサーッという音がします。雪の重みでしないでいた孟宗竹が雪を払ってまっすぐにもどる音です。
 子どもの頃の雪の朝の思い出です。

今日の本
宮城道雄随筆集『春の海』講談社1993
新編 春の海―宮城道雄随筆集 (岩波文庫)新編 春の海―宮城道雄随筆集 (岩波文庫)
(2002/11)
宮城 道雄

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 過日,闇の描き方として谷崎の陰翳礼讃と梶井基次郎の闇の絵巻を紹介しました。この宮城道雄氏もすばらしい感覚の持ち主だなあと,読んでうなってしまいました。さすが音楽家だけあるなあと感心してしまいました。特に音を言葉に置き換える力はまるで気付かなかった世界を私たちに見せてくれるほどの新しさに満ちています。たとえば,コオロギの鳴き交わしの音程は半音ずつずれているとか・・。静かなお正月に読むにはよい本でしょう。岩波文庫を載せましたが,本を出してきたら1993年出版の講談社の本でした。腰巻きに「宮城道雄生誕百年記念出版」とありますから当時が生誕100年の年だったのでしょう。
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