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子どもが帰ってくる電車『休息の山』

子どもの帰る電車
 星の写真を撮っていました。すると,次の電車で子どもが帰ってくると連絡が入りました。
 林を抜けると,林の向こうに線路が見えました。遠くから子どもが帰ってくるんだというイメージにするため,前景に林を広く置き,林の向こうに線路を置きました。手前の田んぼには雪解けの水があるので,電車が通過すると水のある田んぼに電車の光が反射するはずです。試しに撮ってみると暗い部分が強すぎます。そこで手前の暗い部分に灯りでアクセントをつけることにしました。点滅する光をつけて林の中を歩き回りました。電車が通過する時刻に合わせて,林の中を歩き回り1枚目を撮ります。次に電車の光があまり飽和しないように感度を下げ,絞り込み,25秒間シャッターを開けるようにします。
 こうして,できあがったのが上の写真です。

 小さな頃の私はあまりおしゃべりではありませんでした。ですから,知っている人が帰っていくときには,その人が乗った列車をいつまでも見送るくせがありました。多分,ことばでうまく表現できなかった分,そのような行為で去っていく人にさよならを伝えたいと思っていたのでしょう。列車が警笛を鳴らして山の中に見えなくなると,とてもさみしい気持ちになりました。喧嘩別れして帰っていく姉を見送るときなどは,どうしてこんなに悲しいまま別れるんだろうと,泣きながら列車を追いかけたこともありました。
(今度会うときまで元気でいてね。幸せになるまでがんばろうね。)そう心の中で言い続けていました。
 その姉が昨年帰ってきて,実家にいることになりました。
「いろんなことあったけど,(帰ってきて)安心した。」と言います。30年も40年もかかって解決する問題もあります。今はよかったなあと思います。

 列車に乗ってくる人々の様々な思い。子どもの頃からずっと列車を見送ったわたしが,今度は自分の子どもの帰郷を喜びながら通過する電車を見送りました。

今日の本
『休息の山』沢野ひとし 角川文庫
休息の山 (角川文庫)休息の山 (角川文庫)
(1997/09)
沢野 ひとし

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すぐ読める。すぐ終わる。息抜きの一冊。『山と渓谷』読んでいる人ならみんな知ってる人です。
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