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朴の木『駒形日記』

スキー場きれいな雪景色見たいなあ(山形蔵王スキー場から見えた尾根)

 5月の栗駒山。世界谷地湿原への道を歩いていたときでした。天からよい香りが降っていることに気付いて立ち止まりました。早春の林の道です。咲いている花もありません。そして高い木に白く大きな花が咲いていて,そこからよい香りがしていることに気付きました。朴の木に出合った最初でした。
 菅江真澄「駒形日記」の最初にも朴の木のことが書かれています。駒形とは栗駒山のことです。1814(文化11)年8月9日残月懸かる朝,真澄は栗駒山にでかけていきました。今の秋田県雄勝郡東成瀬村(学力日本一になった村ですよね)から入っていきました。

「・・朴木台という萱原(かやはら)をはるばると行った。むかし,このあたりはみな陸奥の国であって,柿本人麿の「みちのくの栗駒山の朴木の枕はあれど君が手まくら」と読んだ朴木も,ここから産したのであろう。」『駒形日記』p194菅江真澄遊覧記5 東洋文庫

 朴木は芳(かぐわ)しい香りで,その木でつくる枕も贈り物として重宝された。花ほどのはっきりとした香りはないと思うが,ほんのりとした香りがする木は安眠を促したであろう。しゃれたプレゼントだと思う。柿本人麿がわざわざ栗駒山の朴木と詠っているところを見ると,栗駒山の朴木は有名だったのだろう。真澄は「献上」という言い方をしている。ところが,おしゃれなプレゼントだけの意味ではなかったのである。

「ある医師(くすし)が言うには,もろこし(ちゅうごく)から渡来した厚朴(ほおのき)ににた厚皮(くすり)となる木がここにある。同じ朴木(ほおのきがしわ)の種類であるが,他所の朴木と違い,この駒岳(栗駒山)でなければならない朴木だといっていた。」

 とすると朴の木は皮をはがし,薬としていて,その朴木の幹でつくる枕も何かの効能があってのことだと知った。朴の木は,ただのよい香りでの安眠だけではなかったのである。

今日の本
『菅江真澄遊覧記5』 東洋文庫
菅江真澄遊覧記 (5) (ワイド版東洋文庫 (119))菅江真澄遊覧記 (5) (ワイド版東洋文庫 (119))
(2004/09)
菅江 真澄内田 武志

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