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コノテーションブルー

伊豆沼121 332-2s
コノテーションブルー

「コノテーションブルー」
「コノテーションブルー」なんていう言葉はありません。
私が勝手に名付けたものです。
「コノテーションは」内示的な意味のこと。例えば「青空」という言葉は字義通りでは正に「青い空」のこと。しかし青空と聞いて,清々しさ(すがすがしさ),爽やかさ,また希望などを連想します。この副次的意味は個人によって生成されています。言葉から生まれてくる想像や感情,感覚があります。これがコノテーションです。

日常生活でも,写真でも,聞いたまま,見たままに,字面(じづら)通りに受け取ることと同時に,副次的に個人の中で豊かに解釈が施される部分でコミュニケーションが成り立っていることも確かです。会話でも普通は言ったとおりに相手が受け取ることでコミュニケーションが成立していますが,さらに副次的に連想することでさらにリアルに人間関係も実感できるというものです。しかし,こんな場合はどうでしょう。

母「お風呂見てきて」
子「はーい。」
(お風呂はもうあふれていた)
子「(お湯も止めずに)見てきたよー」
母「ありがとう」

この「お風呂(あふれていないかどうか)見て」きてという母の意図は伝わらず,本当にただ見てくるという,「伝わらなさ」をコノテーションブルーとわたしは言います。

妻「洗濯物取り込んでてね」
夫「はいよ」
取り込んだだけでたたむことはしないでいると,後で妻が「たたんでくれていたっていいじゃない」と怒り出します。
夫「取り込んでというから取り込んだんだよ」と夫も反撃して火に油をそそぎます。
後は・・・。

このように,発せられた言葉に込められた意味と,受け取る側に解釈された意味が乖離してしまうことはいくらでもあります。
その「伝わらなさ」を私はコノテーション・ブルーと呼びます。
いわば言葉を発することで,その言葉に込められた副次的な意味までを受け取る側が豊かに解釈できるのかという問題があるのです。

日常ならず,表現芸術の分野の詩,小説,絵画,写真では,隠喩,メタファー,イコン等,コノテーションのオンパレードです。これを読み解くことで作品をよりより理解することができます。つまり隠し味がいっぱい詰まっているのがゲイジュツ作品と呼ばれるものです。その隠されたものをコノテーションの力によってどう相手の意味を深く読み取ることができるのかが大切になります。深く読み取れば読み取るほど,相手(作者)の意図を深く愛情をもって受け止めることができるのです。

私は写真を毎日載せていますから例えば次の写真を見て下さい。

ゆらぎs

今年の桜の写真です。敢えてタイトルは伏せておきます。
しかし「隠し味」があります。
この写真の部分を拡大するとよく分かります。

ゆらぎ
タイトルは「ゆらぎ」です。

写真を見ている人が作品の細部まで読み解いているか,観察しているかという解釈の練習的な面もありますが,実は作品はよく見てあげなくちゃという礼儀に当たる部分も言っています。大体において作品に込めた作者の表現の意図というのはよく伝わらないことが多いのです。私はこわくてコンテストにはあまり出さない方ですが,写真の表面だけで判定されることもあるかもと考えると芸術のこわさでもありますね。
まさに「コノテーションブルー」です。「伝わらなさ」のこわさです。
しかし,この「伝わらなさ」の苦しさにまみれながら,作品を出し続けることが写真が好きであることの証なのでしょう。
必ずや自分の作品を,丁寧になぞり,作品から得られるコノテーションの「隠し味」をきちんと読み取る人も世界にはいるはずです。
新たなる自分への挑戦は続くでしょう。



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