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ことり礼讃

かけ山 168s
右手を挙げて意見のあるベニマシコ

「ことり」と書くと,ほんとうに小さな何か愛らしいものを感じてしまう。
「ことり」と書くと,あざやかで断片の美しさを感じる。
どうしてあんな小さな宝石がすばやく,速く,すばしこく生きられるのか。
おそれ,おぼつかなさ,繊細,はかなさ,傷つきやすさ・・・。
そんなものをことりに感じながら,包めばその片手にも余る小さなことりの軽さと言ったらなんだろう。

かけ山 023-2s
アトリ

およそ重量のない実体でありながら,繊細に飾られた色彩とデザインの緻密さといったら
どう解釈したらいいんだろう。

かけ山 132-2s
ジョウビタキ

いくら寒いからと言っても,好奇心の強いジョウビタキが体をこんなに膨らませたって,全然我の強い主張にも見えず,かえってほほえみを誘うのはすでに存在自体が軽すぎるのだろうか。
いいや,軽いというのではなく雪の結晶のように完成されているからだ。
「ことり」は全体という思想を断片や部分という思想で凌駕してしまっているのだ。
全体をささえる虚構は個々の部分に驚くほどの気まぐれとさえ思われる自由を認めるものだ。
こうとしか言えない。

初売りの日 308-2s
カモメ

美しく伸びやかなこのような羽をかつて誰一人として持ったことはなかった。
逃げるために手に入れたわけではない。逃げられない気持ちから来る落胆というものがなんと辛いことなのか。

沼回り 741-2s
ホオジロ

カウンターシェーディング
光量の多い中で生きる動物は太陽に当たる面が暗色で,光が当たらない部分は明るい色になっている。
コントラストを低くしてものの輪郭を捉えにくくしている。ああ,10グラムのことりがこんなことをしているのか。
では,あのことりのさえずりは何だろう。
あの美しい旋律。

沼回り 686-2s
アオジ

先日,とても懐かしい映画「陽のあたる場所」を観た。
エリザベス・テイラーのあの18歳のかわいらしさ。
モンゴメリー・クリフトと出会って湖に舟を漕ぎ出す。水鳥のアビが不気味に鳴いた。
処刑されるモンゴメリー・クリフトのところにエリザベス・テイラーが訪れる。
その時カナリヤが獄中で飼われていて鳴いていた。
きれいな声で鳴いていた。
「ことり」はいつもそうだ。
全体を虚構とし,部分や断片の一瞬をきらきらと輝かせる
弱さの力強さをもっている。
美は細部に宿る。


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