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ギルちゃん。いますか。

リゾートみのり 363-2s
夏の大三角列車

ギルちゃん。いますか。
いつも賢治さんの詩や小説に唐突に出てくるギルちゃん,いますか。
いたら出てきて下さい。
今私は「風の電話ボックス」から電話しています
異次元にも通じるというこの「風の電話ボックス」は便利になったこの世の中で
まだ唯一念ずる力で通じるというではありませんか。

ギルちゃん。いますか。
「マリヴロンと少女」で女の子がギルダという名前だったことは
女の子が持っていた楽譜に書いてあった名前で分かったんですよね。

「何かご用でいらっしゃいますか。あなたはギルダさんでせう。」

184〈春 変奏曲〉にも出てくるよね。
(ギルダちゃんたらいつまでそんなに笑ふのよ)
   ( あたし……やめやうとおも……ふんだけれど……)
   (水を呑んだらいゝんぢゃあないの)
   (誰かせなかをたゝくといゝわ)
   (さっきのドラゴが何か悪気を吐いたのよ)
   ( 眼がさきにおかしいの お口がさきにおかしいの?)
   (そんなこときいたってしかたないわ)
   ( のどが……とっても……くすぐったい……の……)
   (まあ大へんだわ あら楽長さんがやってきた)
   (みんなこっちへかたまって,何かしたかい)
   (ギルダちゃんとてもわらってひどいのよ)
   (星葉木の胞子だらう
    のどをああんとしてごらん
    こっちの方のお日さまへ向いて
    さうさう おゝ桃いろのいゝのどだ
    やっぱりさうだ
    星……葉木の胞子だな
    つまり何だよ 星葉木の胞子にね
    四本の紐があるんだな
    そいつが息の出入のたんび
    湿気の加減がかはるんで,
    のどでのびたり,
    くるっと巻いたりするんだな
    誰かはんけちを,水でしぼってもっといで
    あっあっ沼の水ではだめだ,
    あすこでことこと云ってゐる
    タンクの脚でしぼっておいで
    ぜんたい星葉木なんか
    もう絶滅してゐる筈なんだが
    どこにいったいあるんだらう


そう言えば「青森挽歌」にも出てきていたな。
あいつはこんなさびしい停車場を
たつたひとりで通つていつたらうか
どこへ行くともわからないその方向を
どの種類の世界へはいるともしれないそのみちを
たつたひとりでさびしくあるいて行つたらうか
 (草や沼やです
  一本の木もです)
   ギルちやんまつさをになつてすわつてゐたよ
   こおんなにして眼は大きくあいてたけど
  ぼくたちのことはまるでみえないやうだつたよ
   ナーガラがね 眼をぢつとこんなに赤くして
  だんだん環をちいさくしたよ こんなに
   し,環をお切り そら 手を出して
   ギルちやん青くてすきとほるやうだつたよ
   鳥がね たくさんたねまきのときのやうに
  ばあつと空を通つたの
  でもギルちやんだまつてゐたよ
   お日さまあんまり変に飴いろだつたわねえ
   ギルちやんちつともぼくたちのことみないんだもの
  ぼくほんたうにつらかつた
   さつきおもだかのとこであんまりはしやいでたねえ
   どうしてギルちやんぼくたちのことみなかつたらう
  忘れたらうかあんなにいつしよにあそんだのに
かんがへださなければならないことは
どうしてもかんがへださなければならない
とし子はみんなが死ぬとなづける
そのやりかたを通つて行き
それからさきどこへ行つたかわからない
それはおれたちの空間の方向ではかられない
感ぜられない方向を感じやうとするときは
たれだつてみんなぐるぐるする
あの時のことを思い出していたんだね。
一緒に行ったあの時のこと
お花摘みのことだ
一面に黄色の花が咲いていたあの沼のほとり
あれはすごかった
あんなお花畠があったなんて
「天国のようだ」と言ったね。

ギルちゃん。いますか。
いたら返事をして下さい。
私はここにいます。
私はここにいます。

私はピエールといいます。
そうあなたが若き日に英語の教科書で知った「マリブランと若き音楽家」に出てきた
ピエールです。

ギルちゃん。いますか。
いたら返事をして下さい。
私はここにいます。
私はここにいます。



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