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竈神の誕生

夕方天皇誕生日 093-2gs
の力強さ

今日はイブなんですね。
私はどちらかというと,どんちゃん騒ぎのクリスマスは嫌いで,静かな北ドイツや北欧のクリスマスに憧れます。
「バベットの晩餐会」という傑作映画がありましたが,あのような雰囲気がいいんです。(過去の記事での「バベットの晩餐会」は こちら )

ところで,内藤正敏「東北の聖と賤」を読んで,この人はつくづくおもしろいと思いました。今まで「遠野物語」や菅江真澄や東北の宗教史を読んできて,実は語られていない空白部分に正直苛立ちを感じてきました。この空白部分というのは,民俗学の成果と歴史学の成果と仏教史の成果が交叉する地点ですから,それらを絡め取る該博な知識が要求される部分です。「遠野物語」と遠野の研究で素晴らしい業績を上げた内藤氏はこの部分に分け入り,大切なポイントをはずさず圧倒的な推理を該博な知識で緻密に編み上げていく興奮があります。東北を語る上で赤坂憲雄氏以上の逸材と思います。現在,赤坂憲雄氏と内藤氏がそろって東北芸術工科大学の東北文化研究センターにいることは幸せです。正直この大学に入りたいと思います。なんと学長が「遠雷」の根岸吉太郎監督なんです。

これから数回にわたり,内藤正敏「東北の聖と賤」を辿るようにして,「かま神」を取り上げたいと思います。「かま神」は宮城県から岩手県にかけてかまどの所に祀られていた木や壁土でつくられた男の神さまです。
内藤正敏

かま神 083-2s
竈神の目

まず,かま神は漢字では「竈神」と書きます。特に「竈」という字は難しいです。大きくするとこうなります。
「竈」と書きます。火を使い,煮炊きするかまどのことです。ですから竈神は火の神さまです。どうして特に竈神は新潟県以北の東北地方,その中でも宮城県北部と岩手県に集中しているのでしょう。竈神の話を聞きましょう。
芝刈りの爺さまが山の大きな穴に住んでいた白髪の翁から,醜い顔でへそばかりいじっている童をもらってきた。爺が火箸でへそをつつくと金の小粒が出てきた。
一日に三度,金の小粒は出てきて爺さまの家は大金持ちになった。しかし,欲張りな婆さんがもっともっととつついて,とうとう童は死んでしまった。爺さまが悲しんでいると童が夢枕に現われ,「おれに似たお面をつくって竈の前の柱にかけていれば,金持ちになる」と言った。その通りにしたらまた金持ちになった。童の名は「ひょうとく」といった。

豊里のかま神-2
登米市豊里町の竈神  東北歴史博物館所蔵の8面の内の一つ

豊里町の現存する竈神は60面。その内38面が宮城県有形民俗文化財に指定されている。20面が平筒沼農村文化自然学習館で見ることができます。残りの8面は塩釜神社にあるそうです。

さて話に出てきた醜い童は「ひょうとく」と呼ばれています。挙げた「東北の聖と賤」の中の「東北竈神のコスモロジー」では宮城では「みにくい子ども,ショウトク3件,みたくねぇ顔付きの童,ショウトグ,ショウドグ」と呼ばれています。どうして「ショウトク」なのでしょう。

結論から言えば「ショウトク」は,聖徳太子の「ショウトク」ではないかと内藤氏は推測しています。
太子信仰との結びつきです。

(この話は続きます)


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