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一羽のハクチョウに出会って その2

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通う毎にハクちゃんと呼ぶようになった飛べないハクチョウ。そのハクちゃんはしたたかです。少しだけ近づくのに一週間かかりました。今まで人間に追い立てられることもあったでしょう。キツネに狙われたこともあったでしょう。たった一人で生き続けるには本当の強さが必要です。ハクちゃんのくちばしはなんとしっかりした性格と強さを表していることでしょう。本気で通い続け,呼びかけた時にこちらにやってきた時は嬉しく思いました。でもこう思います。どうしてこの場所で生き延びることを選んだのか。それも一人きりで。やがて10日程経って5月に入ったときにその理由が分かりました。

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4/23 ちゃんといた
4/24 今日もいた。菜の花を食べていた。
4/25 対岸の草むらの中にいた
4/26 中州にいた。岸にかなりの時間上がっているようだ。草がなぎ倒されている。
4/27 夜。岸に上がって寝ているようだ。危険はないのだろうか。
毎日見ていると,とても安心する自分がいる。今日もいてくれてありがとうという気持ちになる。明日もちゃんといてねと話しかける。 一人でどんな夜を過ごしても明日会える喜びがあればがんばることができる。明日はどんなことを話そうか。

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ハクチョウは家族を大事にします。ペアになったら一生添い遂げます。家族同士でいがみ合っている場面を見たことがありません。移動するときには子どもを真ん中にして先頭と最後尾に親が付いています。子どもが遠くに離れた場合には親がまず「コォー」と子どもに呼びかけます。子どもは「コォー」と返事をして,親の元に戻ります。もし家族の中によそのハクチョウが入ってきた場合には相手を執拗に攻撃して,自分達のエリアの外まで追い出します。特に若いハクチョウが知らずに入り込んだ場合でも容赦はしません。そんなハクチョウが越冬を終え,春先の青空高い朝に北帰しながら鳴き交わす声に涙が流れます。このハクちゃんも嘴や足の大きさからするとかなりの年齢を重ねてきたことは確かです。しかし,ハクちゃんがなぜ一人だけで生きることを選んだのかはわかりません。

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しかし,ハクちゃんがなぜ一人だけで生きることを選んだのかはわかりません。
やがて10日程経って5月に入ったときにその理由が分かりました。

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その日も川に下りるために堤防の草むらを下りて行きました。そこでわたしが見たのはハクチョウの遺骸でした。どう見てもハクちゃんの連れだったハクチョウでした。その発見は衝撃でした。どうやらハクちゃんは,死んでしまった連れのハクチョウをこのまま見捨てるわけにはいかないと考えていたようです。だから一人でこの場所から離れることができなかったのでした。この事情を察したわたしは呆然とその場に立ち尽くしました。


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