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一羽のハクチョウに出会って その3

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家族が亡くなった場所で骨を守るという覚悟

なぜ一羽で,こんな場所でハクちゃんは生きることを選んだのか。その事実を知ったわたしは愕然としました。
連れが亡くなったこの場所を動かず,連れの骨をいつまでも守るという覚悟です。
動物の愛情の深さは自分でも少しは理解しているつもりでした。ケリが卵や子どもを守るために人間にまで襲いかかる勇気やハクチョウの親が子どもを守るために外のハクチョウにも家族で牽制することなどを見てきたからです。しかし,パートナーの死にここまで寄り添う動物であったかとつくづく思い知らされました。けっして一人だけで生きることは簡単ではありません。むしろ習性として仲間のいるところに集まるはずだと思っていました。骨を見ると優に3・4ヶ月は経っています。

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ハクちゃんの顔

まるで椋鳩十の動物文学を読んでいるような気持ちになりました。条件のけっして良いとは言えないこの場所で生き続けることは困難なことです。それでもこの場所から動かないのはあっぱれと言うしかありません。普通だったら仲間を探して皆が集まっている場所にいることが安全だし,安心だし食べ物もある程度確保されるでしょう。それでも敢えてそうした場所へ行こうとしないハクチョウの気持ちを考えると涙が流れます。

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見返りハクちゃん

もっと応援したい。元気づけたい。長生きしてもらいたい。
わたしは毎日通いながら思いました。そしてパンを少しあげることにしました。餌付けです。野生の鳥に餌をやることは禁じられています。でも,どうしても生きることを手助けしたいと思いました。喜んでくれるはずだ。餌もあまり食べていないはずだ。わたしはパンをあげました。しかし,食べてはくれませんでした。暗澹たる気持ちになりました。食べれば元気もつくのに・・・。ハクチョウのハクちゃんは知らんぷりして泳ぎ去っていきました。

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何日かパンをあげてみても見向きもしません。

そして3日ほどした時に前日にあげたパンがなくなっていることに気付きました。わたしの前では食べませんが,わたしがいなくなってから興味を示して食べてみたようです。わたしは嬉しくなりました。ありがとう。ありがとうと何度も言いました。



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