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一羽のハクチョウに出会って その7ー終わりに代えてー

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ハクちゃんが帰ってきた。それも友だち二人を連れて 8/26

今日でハクちゃんの話を終わりとしたいと思います。長々と付き合っていただきありがとうございました。
一羽のハクチョウを追って観察を続けられたことに感謝しています。そしてハクちゃんに人生の多くのことを教えられました。ハクちゃんは現在でも元気です。一羽だった前より友だちがいる分だけ幸せそうに感じます。

4月22日。菜の花に埋もれた堤防の彼方を電車が過ぎる写真を撮っていました。その菜の花の中に白い点が見えました。それが,羽を痛めて飛べなくなった一羽のハクチョウ,ハクちゃんとの出会いでした。
しかし一か月ほどして,ハクちゃんは忽然とわたしの前から姿を消してしまいました(5/21)。それから二か月が過ぎ,三か月が過ぎ,むなしく暑い夏ばかりとなりました。いつも川の奥に見えていた白い点,ハクちゃんの姿が見えなくなって今年の暑すぎる夏はことさらに耐え難いものとなりました。そこで水路や川を辿って,所々を探し続けました。しかし時が過ぎるとともに,出会いのよろこびは少しずつ冷めていってしまいました。三か月もたった今はなにかハクちゃんとの出会いは夢だったような薄い気持ちに変わっていました。

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出会った頃

そうした8月26日のことでした。いつもいた夕暮れの堤防の下流側を見ると,白い点が彼方に見えます。それも三つも見えるのです。ハクちゃんでした。戻ってきていたのです。それもハクちゃんが新しく二羽のハクチョウを連れてきたのです。
その中の一羽がいなくなって一か月した時に突然に現われたあの若いハクチョウでした。なんということでしょう。泣いて喜びました。しかし,今年の酷暑にやられたのか,ハクちゃんの動きは前よりも鈍っていました。

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元気でね。ハクちゃん

戻ってきてまた三週間経ちました。ハクちゃんは元気です。それも友だちに囲まれてとても幸せそうです。
4月以来,わたしはハクちゃんの観察を続けながら人生での多くのことを学んだ気がしています。現代は,野生の彼らにはとても厳しい環境です。河川水路整備で飛べなくなった野鳥が殆ど閉じ込められる状況にもなっています。彼らは孤立せざるを得なくなっています。しかし,そんな孤立したハクチョウを助けようとする仲間が確かにいることは本当に素晴らしい野生の優しさです。つまりこの世に無駄なものは何もないという考えが自然には確立していることに私自身は救いを感じました。全肯定理論です。全ての存在はこの世で肯定されるのです。人間もそうありたいものです。

以上で「飛べないハクちゃんの物語」は,やっと現在に追いつきました。ここで一旦終わりといたします。野生の彼らに教えられることはとても多いです。ハクちゃんに心から感謝しています。ハクちゃんのひたむきな生き方や勇気に涙こぼれる思いでいます。伊豆沼には今年もマガンが訪れる時期になります。ここ二,三日というところでしょう。そうして少し遅れてハクチョウも渡ってきます。ハクちゃんを知る仲間もハクちゃんのところに舞い下りる日も近いです。ハクちゃんも楽しみにしていることでしょう。


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