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新・遠野物語-ア・ビ・ラ・ウン・ケン-

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曼荼羅図 宝暦三年(1753)九月一日 願主 阿闍梨 明堂

8/27に「野ざらしの美」と題して新田石碑調査で見つけた美しい石碑を紹介した。碑文は「宝暦三年(1753)九月一日 願主 阿闍梨 明堂」と刻んである。
まず何よりもアップの写真をご覧いただきながら曼荼羅を読み解いていきたい。

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曼荼羅図 宝暦三年(1753)九月一日 願主 阿闍梨 明堂

円の真ん中に胎蔵界大日如来「ア」の種字が見える。そして上下左右に一文字ずつ真ん中の大日如来を囲むように四種字ある。これらは何を表しているのだろうか。下の写真をみると同じだと分かる。

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光明真言曼荼羅

つまり見つけた曼荼羅図の石碑は宝暦三年(1753)九月一日 願主 阿闍梨 明堂による「光明真言曼荼羅」だと分かります。本当に同じか写真と書かれた種字を比べてみましょう。

光明真言曼荼羅合わせ
比較図

やはり同じですね。この円の中の五仏は「ア・ビ・ラ・ウン・ケン」と読み真言そのものです。そしてそのまま「地水火風空」というこの世の五大元素を意味しているのです。そして方位を指し示し全てのものの根源であり,究極の表現となるのです。

アビラウンケン

私の住んでいる片田舎に,このようなありがたい曼荼羅の石碑が建つことになった縁や阿闍梨明堂という僧は村人のどんな願い成就をこの石碑に深く刻み込んだのか,266年も経った今では記録も何もありません。ただこの地区の星さんは疫病で沢山の人が死んだための供養塔だと昔の人から聞いていると言っていました。
いつも時代も様々な災苦に見舞われます。それでも願いや希望を捨てずに自分の生を全うした祖先の思いを忘れるわけにはいきません。またその願いに応えるために曼荼羅という究極の美で答えた阿闍梨明堂という僧についてももっと知りたいものだと思います。


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