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カモ類の飛翔訓練

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右へ飛ぶカモの群れ

先日夕暮れのカモの群れの飛翔の写真を載せた。
それは見事な飛翔で,その一部始終を時間を忘れて堪能した。いや,感動して眼が離せなくなったというのが本当だ。カモの群れは縦横無尽に形を変え,方向を変えながら20分以上も沼周辺を飛び続けて,やがて沼から四方八方に散っていき,伊豆沼周辺の小さな川や堤(ため池)で数羽単位で夜を過ごす。よく犬の散歩をしていると小さな堀や堤(ため池)に潜んでいたカモが人影に驚いて飛び立つ場面に出くわす。しかし夜行性のカモの実態はまだあまり知られていないし,研究されてもいないのではないだろうか。
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方向転換開始

この夕暮れのカモの群れの飛翔は,そのスピード(時速100キロにも近い),素早さ,急な方向転換など,ありとあらゆる訓練すべき飛翔の条件を練習しているようにも思われた。野生であっても訓練は必要で,それらの身のこなしを群れ全体で呼応しながら(この呼応は声一つ立てないでなされる)行っているようだ。
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先頭が入れ替わる

よく見ていると,ハイスピードで飛ぶ数百羽の群れは決定的なリーダーや先頭が率いるのではなく,次々と先頭が入れ替わっているのが分かる。最後尾だったカモが方向転換を完了すると先頭になってくる。群れの編成が自由自在になされるのだ。それも左右方向だけではなく南北にもなされている。ダイヤモンドの形の4つの頂点が自由自在に引き合ったりしながら伸縮自在に時速100キロで移動していくのだ。驚くべき訓練である。

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伸縮する群れ

ガンはこのような高度な技術を要する飛翔運動はしない。すくなくてもカモの群れの飛翔は実に芸術的であり,専門的とも言える技術だと言える。
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尖る

勿論接触するなどと言うマナー違反はないし,前後左右上下の鳥とのとの至近接近飛行をその限界まで繰り返す。見事である。そしてリーダーだけが多くエネルギーを消耗するような飛び方でも全然ない。一つの群れが均衡が取れたエネルギー消費になるように構成されている。全く素晴らしい。

まとめよう。
カモの群れは一瞬にして個が全体へと伝播される直感,全体が個へ伝播する直感で,世界が緻密で高速に運動する世界が成り立っている。それが野生の生存原則だと言ったらそれまでだが,これは人間の技術がまだ為し得ていないことは確かだと言える。
人間の因果律では限界のある世界がカモによって見事にクリアされている。科学的なロゴスの世界しか見てこなかった人間の落ち度であったと言えるのかもしれない。では因果律だけでは説明できないこのカモの群れの飛翔はどんな言い方をしたら納得できるのだろうか。私は仏教の「インドラの網」,縁起や因縁を使った考え方でしか説明できないのではと思ってしまう。この世の全ての生物は今在るように生きる条件が網のように広がっており,すべてのものとの関係が調節されている「お互い様」によって成り立っているとしか言えない。高速飛行のカモの群れの伸縮自在の変化はまさに「インドラの網」であった。

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