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新・遠野物語-傾いた鳥居-

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新・遠野物語-傾いた鳥居-

新・遠野物語シリーズは東北のディープな源像をあぶり出すシリーズです。

普通の石を仏とするにはどうするのでしょう。神仏を石の中に呼び込むという事なのでしょうか。石を依り代にして憑依させるということなのでしょうか。石を祠として神仏を住まわせるというのでしょうか。いずれにせよ,道ばたには自然石の仏さまがいます。そして多くが石仏(いしぼとけ)です。
こんな素朴な疑問ですが,よく考えると分からないものです。
全国に伝わる「北条時頼の廻国伝説」というものがあります。今日は当地方に残された伝説の中から時頼が石を仏にするシーンを拾い出してみます。伝説の題名は「山王の桜」です。時頼が「山王の桜」を褒めたたえて帰ろうとするとそこに農民がやってきます。

すると山陰から四,五人の土地の者が走ってきて法師を留め,低頭平身して申すには,この土地は山間僻地のため寺僧や神官が来られたことはなかったが,幸いなことに御僧が本日おいでなされた。邑は今悪疫が流行して人々はほとんど農業を捨て病魔に苦しみ,日夜愁歎の涙が絶えません。願わくば吾等を憐れみ下されて悪魔退散のご祈祷をして下さいと懇願した。法師はこれを聞いて歎息し,石を拾ってくるように命じ,沢から担いできた石に筆で梵字(カ)を書いて高峯(今は高見という)に建てさせ,石に注連縄を張って読経し,祈祷が終わると,不日必ず悪魔が退散するから,その時は注連縄を解きなさい。そしてまた悪疫が流行したり,願いごとがある時には予が結んだように難度でも結んだり解いたりするようにと教えた。邑人たちは大変悦んで一泊されることを願ったが法師は袖を払って,別れを惜しむ人々を後に坂道を戻って帰っていった。
このような方法なのです。注連縄を懸けるという点がポイントなのでしょうか。川から農民が拾ってきた自然石が読経,祈祷によって力を持った石に変わります。梵字(カ)は,地蔵菩薩だと思います。そして効力は注連縄を懸けるとまた復活し,永遠にその効験は失われないのです。すごいことです。


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