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空に浮かぶクリスマスツリー

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メリークリスマス 空に浮かぶクリスマスツリー 栗駒山 10月撮影

皆さん。メリークリスマス
写真では,はくちょう座が西の空に沈もうとしていますが,大きな十字架のクリスマスツリーに見えます。だからはくちょう座は北十字と呼ばれ親しまれています。ちょうど12月24日の夜8時頃にこうした星の位置になります。まさに十字架が北西の空に立っているのです。写真では今まさにハクチョウが逆立ちしてくちばしが地平線に突っ込むような体勢になっています。
どれくらいの大きさなのかというとこの北十字は縦の星の並びで20度(コブシで測ると親指から小指を開いた角度)横の星の並びで10度だからかなり大きい。南十字が6度だから北十字は途方もない大きさとなります。これが宇宙一大きなクリスマスツリーと言ってもよいのではないかと思います。

さて北十字と聞くと最初に思い出すのが,やっぱり宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。その中の「七、北十字とプリオシン海岸」にその名が出て来ます。この「銀河鉄道の夜」の設定はケンタウル祭です。ケンタウル祭とはいつの祭で,どんな祭りなのでしょうか。どうも烏瓜(からすうり)流しとあるだけで,実際に西洋にケンタウル祭という祭りがあるわけでなし,賢治の創り出した架空の祭りのようです。季節的にはつりがね草や野菊のいっぱい咲いている丘でジョバンニは銀河鉄道の汽笛を聴くのです。

私はこのケンタウル祭は,月遅れの七夕の8月ではないかと思います。というのも「七、北十字とプリオシン海岸」にはこんな会話が出てきます。
「もうじき白鳥の停車場だねえ。」
「ああ、十一時かっきりには着くんだよ。」
一体この11時とは何を意味しているのでしょうか。
ヒントは「北十字のはくちょう座が白鳥の駅に11時」ということです。
シュミレーションソフトで調べてみると,はくちょう座が夜11時に天頂部を通過するのです。まさに天頂にデネブがある時が8月の月遅れの七夕の時期なのです。(花巻を観察地点にしてみました)ですから賢治にとっては銀河鉄道の「白鳥の駅」到着が夜11時でなくてはいけなかったのです。ちゃんと「銀河鉄道の夜」の設定にはいちいち吟味されていたのです。


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