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結氷した伊豆沼を飛立つマガンの知恵を感じながら

栗駒山を背に
栗駒山をバックに 内沼

昨日は春の気配を感じるような暖かさだった
ハクチョウが次々と数百羽にも達するほど南から北に向かって飛んで行った
結氷してから南下していたハクチョウ達が昨日の暖かさで戻ってきたのだろう
彼等の鳴き交わす声は少しヘイズ(靄)がかかった眩しい青空で柔らかく温かく響く
家の軒先に来る鳥たちもいつもより幾分か明るく囀り,飛び交っている
見晴らしの利く林の木々の枝先に留まる光が大きく感じられる
金曜日にまた雪が降ると言うが,季節は進んでいる

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長沼

昨年より厳冬期には長沼にマガンが多くなるだろうと話したが,その通りで数千から万くらいのマガン長沼をねぐらとするようになっている。県の1月の飛来調査の確定値を待っているが,なかなか出てこない。長沼も調査地点に入っていると思うが,結果はどう出るのか興味深い。水面が凍結する厳冬期に,マガンがどのように分散化を図るのか。これは知っておくといいだろう。

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朝の光 長沼

さて,人がマガンや野鳥の生育環境を整えながら,多様性を保持した農業や生活を営むには,法的な整備も急がれることだろう。ラムサール条約,特別鳥獣保護区,そして生物多様性条約と次々と条約は締結されて,網が二重にも三重にも掛けられていくが,これらの条約同士の関係性や補完性などが実際に伊豆沼,内沼や蕪栗沼にどういう影響を及ぼすのだろうか。そして人にはどのような制限が新たに加えられるのだろうかと不安になる。というのも,地元ではお盆に盆棚にあげられていた蓮の花も葉も伊豆沼では採ることはできないし,ちょっと見たところでも釣り人ひとりいない。ましてや最近まで見られた昆虫採集の親子もここ数年見なくなった。生きたままリリースしたとしても昆虫採集も保全上禁止されている。ボートやカヤックももちろん駄目だし,ヤゴを採ってもいけない。地元の人達はそのようにラムサール条約や生物多様性条約を厳然たる「人間の介入禁止」と受け取っている。そのくせいつの間にか沼で工事が行われたりしている。誰が何のためにしているのだろうか。立て札もなく,説明板も設置されていない。沼に10㍍というところに住んでいる人でさえ知らされず,突然沼の環境が変わろうとする。広報誌にすら伊豆沼や内沼の事業やその経過,結果などは一行もないのです。周辺住民を置き去りにした沼の再生事業とは何なのでしょうか。分かりません。地域みんなで伊豆沼に関わりをもって再生していこうという視点はないのでしょうか。そして法整備だけが進んで行くのです。

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牧草地に休む

伊豆沼,内沼,蕪栗沼長沼等の広大な登米・大崎耕土湿地は「鳥に選ばれた地域」であることは確かです。しかし,これらの土地は地域住民や農民が営々と何百年も悪水と戦いながら,適切に管理してきた結果として,人にとってもサンクチュアリー(聖域)なのです。周辺地域の理解無く沼の動植物だけ再生させて,保全することは難しいことです。私には,沼というある局所だけ自然の遷移を拒否し続けることは無理ではないかとも感じさせます。点ではなく面で解決する視点が必要だと思っています。


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