2023/03/22
お彼岸の中日に起こる奇蹟

祈りの星々
太陽黄経0°のお彼岸の中日
私は毎年この日に沈む太陽を「阿弥陀如来来迎図」と称して撮影してきました
つまりお彼岸の中日に沈む太陽の光の中から阿弥陀如来が現れるという奇蹟を記録したいという意味です
何もこの謂われはただの伝説ということだけではなく,それなりの意味があって伝わっていることではないかと思っています。実際に大阪四天王寺では日没に合わせて「日想観法要」が執り行われます。太陽黄経0°のお彼岸の中日に太陽信仰の儀式が執り行われる。ごく自然なことです。その特別な日に奇蹟が起こると言われると,やはりそうかもと思われます。

お彼岸中日の落日
さて,最近私は,新田生まれの伊藤正子さんの昔話にある「小夜姫」に興味を持ち,その構造を探るために説教物をよく読んでいます。その一つ安寿と厨子王の「山椒大夫」を読み返していますと,ある一箇所に目が留まりました。
厨子王が助けられて,天王寺に行き着くと,そこに梅津の院がやってきます。当時の天王寺は行きあぶれた者や旅行者や子どもで溢れていて,寝泊まりをしている所でした。水上勉に依れば,天王寺ではそうした行きあぶれた子どもの中から臨時に雇い入れたり,施食してあげることで救済も行なっていたものですから,厨子王もそういった経緯で天王寺に運び込まれてきたといえるでしょう。さて高貴なる梅津の院は帝の重臣ではあったが,世継ぎの子がおらず,清水の観音に願を掛けた所,天王寺に行けば見つかるであろうという夢告げを受けたことで厨子王のいる天王寺にやってきたのでした。押並ぶ数多くの子ども達の最後尾に一際目立つ厨子王を見つけ,お茶の給仕をさせようと着替えさせると,他の稚児達と比べて格段に上の雰囲気です。厨子王もこの時と自分の身を明かし,自分は奥州,日の本の将軍,岩城判官正氏の子であると名乗ります。
この日が彼岸の中日のことであったと書かれていたのです。
奇蹟はお彼岸の中日に起こる
そんなことをまた知らされた日でもありました。

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