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今年の桜始めました。その18-やすらいの桜-

桜さく野辺桜咲く野辺(小岩井農場)

 桜を見送るときにはぐずぐすしている方がいいんです。そして,桜自身にもぐずぐずしてもらって,長く咲いてもらった方がいいんです。これを「やすらい」と言います。そしてそれは山桜の意です。折口信夫は歌を引きます。
「此花の一弁(ひとよ)の中に百種(ももくさ)の言ぞ籠れる。おほろかにすな」(万葉集巻八)藤原広嗣

 たった一輪の花にも多くの意味が籠っている。暗示の意味が桜の花にあると言います。どんな意味が込められていたというのでしょう。その年の作況です。桜,山桜は,その一年の生産の前触れとして重んぜられていたのです。だから早く散ると前兆が悪いものとして考えられ,早く散ることが迷惑になったのでした。このように桜の花が長く咲いてくれることを願ったのでした。これがぐずぐずすることがいいという意味です。やがて桜の花が散ることが平安期に文学的な意味合いで惜しまれていくようになったのでした。そのための祭が花鎮めの祭です。やすらい祭とも言います。「やすらい」はぐずぐずして,ちょっと待っていてくれ。という意味です。これはそのままイネの花が散るのは困るということも意味します。春と夏の交叉期,ゆきあいの時期にあらかじめ起こりそうな疫病を退散させる祭の意味にもなりました。

 こちらの方の,今年の桜は折からの強い風に散りました。
 早く散ってしまった桜。惜しいことです。

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