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植物の戦略-ショウジョウバカマの智恵-

池塘に咲く雪解けの池塘に咲くミズバショウ
 先回はミズバショウをアップしましたが,今日はミズバショウとともに咲いていたショウジョウバカマを紹介します。このショウジョウバカマは春の山を歩くと簡単にみつかる花ですが,意外と智恵があるんです。
ショウジョウバカマショウジョウバカマ
 花の色はピンクや薄紫,赤っぽいピンク,そして緑色と色が変化していきます。
開花前開花前にめしべは出ている
 開花前なのにもう雌しべは突き出ています。この状態で受粉できるんです。この雌しべの柱頭に受粉させると結実率は95%弱になります。(高橋弘「確実に種子をつくる」より)すごいものです。開花前からもう種を確実につくる戦略をもっているわけです。そして同時にこの戦略は他家受粉(他の花の花粉)を確実に進めるための作戦にもなっているわけです。
 花の受粉の仕方には,他家受粉と自家受粉がありますが,他家受粉の方が適応力の強い個体になると言われています。そして,自分の花の花粉では受粉しないようにしている花が結構あるそうです。この性質を難しい言葉で「不和合性」と言うそうです。このようにしてなるべく他の花の花粉で受粉して強い種子を残すようにしているのです。
 ですから,雌しべが先に機能を開始して,春の寒い時期や飛んでくるハチやチョウが少ない春先でも確実に受粉できるよう「雌性先熟(しせいせんじゅく)」という機能をもっています。頭いいー。
ついに開花ついに開花。雄しべが見えます。
 雌しべだけが突き出ている状態が2日程続きます。そしてこの写真のように雄しべも見え始めます。しかし雄しべの先の「葯(やく)」はまだ開いていませんね。花粉はまだでていないのです。こうしてまた1日経つと葯が開き始めます。
葯が開く雄しべの葯が開き,花粉が白く出ています。
 やっと葯が開き,白い花粉が見えますね。それじゃ,ショウジョウバカマは種子をつくるのに他の花の花粉しか受け付けないのでしょうか。他の花の花粉はそう簡単にハチによって運ばれてくるとも限りません。私がしばらくご飯を食べながら見ていると,やっとハチがやってきました。日差しが出てきたからです。
ハチがやってきたやっとハチがやってきた
 そこで自分の花粉では受粉しないのか。実験をしてみました。
 開花前のショウジョウバカマを温室に持ち込み,ハチやチョウのいない状態にするのです。すると,それでも20%は結実するのです。つまり自分の花の花粉で受粉をしているのです。一方で,温室に入れた別のショウジョウバカマの雄しべを葯が開く前に切り取ってみました。すると結実率は0%なのです。(前掲書実験より)
 ショウジョウバカマは他家受粉を目指しながら,それができない環境では次の戦略の自家受粉に切り替えて種子を残そうとするわけです。超頭いいーー。
 これも後で知ったのですが,ショウジョウバカマの葉っぱの先が地面に付くとそこに芽が出て,根が生えるんです。つまり子どもですね。苗が葉の先にできるんです。これを栄養繁殖体というそうです。すげーー。

 頭いいショウジョウバカマに感心して今日は寝ます。しつこくて小難しい話ですいませんでした。

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コメント

Re: ショウジョウバカマ

あさのしんさん。いつもコメントありがとうございます。
植物ってもちろん何も言わないけれど頭いいよなーと思って記事にしてみました。反応していただいて嬉しいです。世の中には当たり前だけど,わかっていないことってたくさんありますよね。そこがいいんですよね。

ショウジョウバカマ

nittaさん
受粉についてクローズアップされていたことが、
とても新鮮でした。
他家受粉、自家受粉など環境に順応していくんですね。

一枚目の水芭蕉のお写真ステキです。
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