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ホオノキの秘密

 6月2日の記事に「厚朴の木と菅江真澄」という記事を載せました。(その記事は こちら )
 このときに「ホオノキの話はあとで」と書きました。いつまでも引っ張っていても仕方ないので今できる分だけ書いておきます。
ホウノキ雨に濡れるホオノキの花
 実は宮澤賢治の作品にもマグノリアという名で,このホオノキがよく出てきます。(コブシなのかもしれません。同じモクレンの仲間を言います。)例えば童話「マグノリアの木」です。その大きくて白い花をこう表現しています。
「サンタ、マグノリア、
 枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
向う側の子が答へました。

「天に飛びたつ銀の鳩。」
こちらの子が又うたひました。

「セント、マグノリア、
 枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
「天からおりた天の鳩。」
諒安はしづかに進んで行きました。

「マグノリアの木は寂静印です。こゝはどこですか。」
花は香りがよく,私はを歩いているときにこの花の香りで立ち止まりました。香りの元がホオノキと知って,そのときからこの木が好きになりました。そうしている内に東北のホオノキの枕が香りの良さ故に献上されていたこともわかりました。それが前の記事での紹介の概要でした。
1日目ホオノキ開花1日目
 さてこれがホオノキの開花1日目の様子です。まだ大きくは開きません。中で花びら三枚が寄り添うように守っています。その先から赤紫色の雌しべが見えます。実は雌しべだけが受粉可能となっています。前にショウジョウバカマの話をしたときに話した「雌性先熟」という特徴が見て取れます。(ショウジョウバカマの記事は こちら )少ない開花期間の中で確実に実をつくるために雌しべだけが先に活動を開始しているのです。植物のたくみな智恵です。 
1日目2雌しべを拡大してみると・・・
その雌しべを拡大してみました。ここにアブ,ハチ類が飛んできて他の木の雄しべの花粉をつけるわけです。雌しべは立っていますが,次の日にはもう倒れて堅く閉ざされたようになっています。受粉のチャンスは1日だけなのです。開花1日目の花は夕方には堅く閉じてしまいます。そして次に花びらが開くともう雄しべの役割となるのです。次の写真を見て下さい。
ホウノキもう一度花が開くと,もう雄花の役割に移っています
どうです。めしべは巻き上がって閉じているのがわかるでしょう。雄しべは花粉を出して,とれてお椀型の花びらにたまっていますね。これは4日ほど経った花でしょう。
1日目3もう一度,開花したばかりの花を見てみましょう。めしべの下のおしべは堅く付いたままですね。もちろん葯が開かず花粉も出ていないのです。花はこのように雌しべの期間と雄しべの期間と,時間をずらすことで他の木の花粉をもらい,また他の花へ花粉を運ぶ働きを効率的に可能としてきたのです。ここに植物のしたたかな戦略があるということです。
ホウノキ花がつく枝花が付いた枝のところ
 ここで花がついた枝を見てみましょう。下に葉痕という,去年葉が付いて落ちた後が見えませんか。そこから今付いている葉の処までわずか10センチぐらいしかありません。
ホウノキ2この枝もそうですね。花が付く枝の成長は一年でせいぜい5~10センチくらいでしょう。しかし,葉だけをつける枝はどうでしょう。見て下さい。
ホウノキ葉
葉を付ける枝の様子
 葉を付ける枝の生長はすごいです。30~50センチくらい伸びているんです。どうやら花をつける枝と葉を付ける枝と役割分担があるようです。これもエネルギーを効率的に使おうとする植物の智恵ですよね。ピンボケですいません。最後に枯れた花はどうなるんでしょう。見て下さい。
葉が落ちて葉が落ちて
 花びらも葉も取れた花はこうなります。めしべのところがこれから膨らみ,びっしりと実がつくんです。この段階でも香りはいいんです。

 今日はどっかの講義みたいになってすいません。ホオノキの智恵をお知らせしたかっただけなんです。今夜も長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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