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映し出されるもの

映る夕焼け映し出された夕焼け

 折口信夫が言うのであるが,「霊魂(たましひ)はうかれ易くあくがれ易い。」
 たましひは容易に人体から離れ,移り,また戻る。人だけではなく,植物のたましひも,動物のたましひも互いに現在の形態(人で言うなら身体)を超えて交流し合うのである。別のたましひが入ってくるとその特別な力が籠もるとされた。自分とはまったく違う力が自分に宿ることになる。植物などが呪術の道具とされるのは,別のたましひがやって来て入り込み,その力が発揮されるようにするためである。これを「タマフリ」の儀式といった。うつろいやすいたましひの力を自分に密着させる儀式である。人は死んだとき,たましひが抜け出ると考えられてきた。したがって自分にたましひを呼び戻す儀式が必要だった。死ぬの「し」は,萎(しぼ)むの「し」だったのである。死の儀礼はむしろたましひを呼び戻すための復活の儀礼だったのであるが,年月を経るに従い,鎮魂の儀礼となっていったのだろう。
 わたしたちはおよそ,彷徨える魂ではないだろうか。うかれて,あくがれて,彷徨う。
 空に雲に,星に,花に,水に,樹木に・・・。

 この世に映し出されてくるありとあらゆる景色。
 魂の特性故にただ彷徨い続けるわたしたちが「あくがれ」て見る景色。
 何のために・・・。
 ただただ魂の,自由なるがゆえに。

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