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鳥の物語

鳥の物語ガンの塒(ねぐら)入り  2009,10,10 PM5:17

 昔,「銀の匙」の中勘助の「鳥の物語」を読んだ。おもしろかった。案外,鳥の視点を題材にしたこんな物語は少ないなと思った。鳥と人間は昔から身近な存在でありながら,昔話で出てくるぐらいしかわからなかった。佐々木喜善「聴耳草紙」(ちくま文庫)の巻頭に出てくる「聴耳草紙」は,狐からもらった聴耳草紙という本を耳に当てることで鳥獣の話がわかるという話で,カラスの話を聞いて長者の家の娘の難産を助けたというストーリーである。しかし,私は太宰治の「竹青」は一押しではと思っている。同じカラスの話である。太宰の戦中戦後にかけて書かれた短編群は統制下ということもあるが,太宰の真骨頂と呼べる再話というジャンルで腕がさえた。太宰の作品は暗いとか言われるが,戦中の,古典を再話した作品は実にうまいと思う。鳥に関する物語はそのほかにも,賢治の「よだかの星」「雁の童子」等,浜田広介「ムクドリの夢」,いろいろあるけれど,リチャード・バックの「カモメのジョナサン」にはない,鳥に対する独特の想いが日本にはあるのでしょうか。
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