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ブナに会う 2月

栗駒2.12 519sssブナ
 あれは確か4月の下旬の桜を過ぎ,5月に入った日だった。
 ミズバショウが咲きそろい,ブナの展葉が始まったときに,冬芽を包む褐色の鱗片がおびただしくブナの林床を埋めていた。私は折れたブナの枝から冬芽を一つ取り,一枚一枚鱗片をはがし始めた。なんと18回もはがし,やっと中身にたどり着いた。つまり一つの冬芽につき18枚の鱗片が周りを堅く守っているのです。
 植物というものの,この頑固までに手堅い守りの姿勢。守りのエネルギーの費やし方に恐れ入ったのでした。 
栗駒2.12 051ss
 それからというもの,山へ行けばブナの林に分け入り,口を開けたままブナを見上げて柔毛の透き通るブナの葉から褐色に変わった雪が降るブナの葉まで見続けてきました。20m,30mの巨木の下で立ち止まっては眺め,振り返っては眺め,もう2月になりました。
栗駒2.12 110s
 どうもブナは眠っている様子はなく,雪の付いた樹肌はますます生き生きと見えるのです。1mも穴を掘ってブナの根元に一緒にもぐっていると,遠くで冬の吹きすさぶ風の音に枝枝がこすれ合う音はしますが,やがて吹雪の音も遠ざかり,温かい無音の歌がどこからか湧き出るように聞こえてきます。
栗駒2.12 054sssss
 倒れたブナの木を見ると,ブナの根は案外浅く広がっています。この幹の太さと高さを支えるのにこれだけかと思ったりもします。しかし時間を凝縮したままの樹幹に刻まれたねじれ,瘤,筋,模様は晴れない冬の空の下で生きる自信に満ちた喜びの歌を歌い続けているように思いました。

 冬の前のブナを3枚取り出してきました。見て下さい。

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ブナ5月15日
栗駒11.5 335ss11月5日
栗駒10.29 566-ssss10月29日
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コメント

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Re: 眠ってなんかいない

> >どうもブナは眠っている様子はなく,・・・・・温かい無音の歌がどこからか湧き出るように聞こえてきます。
>
> そうかあ、眠っていないんだ。
>
> よく、冬に樹木は休眠する、と言われますよね。
> でも葉っぱを落としたモミジですが、真冬に剪定しても切り口からは吸い上げた水がポタポタと落ちてきます。
> 常緑樹だって不要な葉っぱを落とし、新芽の準備をしていますよ。
>
> 眠ってなんかいない。
>
> 眠っていたら、次の季節への準備なんてできやしない。
>
> 樹木って凄いね。

K1さん。ありがとう。
やっぱりそうなんだね。あの瑞々しい幹の色。肌触り。
むしろ根元のほうはしっとりと湿っている。
だから春先に根回り穴ができてくる。発熱さえしているんだね。
そうだよ。樹木ってすごいんだよ。

眠ってなんかいない

>どうもブナは眠っている様子はなく,・・・・・温かい無音の歌がどこからか湧き出るように聞こえてきます。

そうかあ、眠っていないんだ。

よく、冬に樹木は休眠する、と言われますよね。
でも葉っぱを落としたモミジですが、真冬に剪定しても切り口からは吸い上げた水がポタポタと落ちてきます。
常緑樹だって不要な葉っぱを落とし、新芽の準備をしていますよ。

眠ってなんかいない。

眠っていたら、次の季節への準備なんてできやしない。

樹木って凄いね。
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