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賢治-蕩尽するエネルギー-

栗駒山10.16 558-2s栗駒山落日
 賢治の「雨ニモマケズ」は「法華経」常不軽菩薩品第二十の常不軽菩薩をもとに書かれているという。

 常不軽菩薩は,誰彼の区別なく,貧富貴賎の区別なく「私はあなたを敬する。あなたの中に仏性あり。」という考えで,あらゆる人を礼拝していたという。挙げ句の果てには,馬鹿にしているのかと追いかけられたり,石を投げつけられたという。しかし,常不軽菩薩はあきらめず,石つぶてが届かぬ所まで逃げては,また礼拝したという。

蕪栗長沼12.25 870sニホンリスの食事場所

 賢治が病に倒れたとき,この常不軽菩薩を確認し,病への心構えとしたのはどうしてなのでしょう。
星3.4 028s昇るサソリ座
 ののしられても,石を投げられても,あきらめず相手の中の仏性を信じ,手を合わせること。
 このような考え方は賢治のデクノボーの考え方でもあります。
栗駒1011 012s嵐の前の日の出

 しかし,現象的にはデクノボーではあれ,内実は極めて高い思想に基づいていることは確かでしょう。
 汎神論という考え方です。あらゆる存在には意味があり,ありとあらゆる生き物には命がある。命あるものとしてすべての生き物は繋がっており,そこに貴賤や上下はない。
夕方1.28 050ss凍った沼に光差す
 この汎神論的思想は,世界を一つの命としての単位として読み直す姿勢のことです。
 アニミズムと言われようとも,原始時代の考えと言われようとも,未開の文化と言われようとも,賢治の持った汎神論は世界に必要なものでした。
朝0123 169ss伊豆沼の朝

 賢治はこの常不軽菩薩のように蕩尽するエネルギーの中で健康を害しました。
 しかし,こう自分に問いかけることができます。
 皆が常不軽菩薩という存在を知れば,尊いことにも目を向けることができると。

 世界は美しい命に溢れていると。

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