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1770年のこと

伊豆沼6.9 021-2s雨かなあ
 今日は終日雨。
 毎週山に出かけている私ですが,今日は家にいました。枕元に置いていた年表を何気なくめくって安永風土記(1777)ができた辺りを見ていますと,1770年にこんな記述を見つけました。
○五月一日 皆既日食 ○八月二十八日 夜五つ時(八時頃)より北の方火事のように赤くなり同十一時頃ことごとく天赤くなり輪中に月の形三角に三つあり,赤き筋,紫の筋,白き筋北より南へ通り,遠山まで見える。(極光,彗星か。)「吉凶」
この「吉凶」という記録は「阿部家吉凶留帳」という当時の記録を元にしています。空全体が赤くなり,輪の中に(月暈のことだと思います)月の形が三角になったのが三つ見えるという現象です。そして赤や紫,白い筋が北から南へと流れているというものです。
伊豆沼6.9 053-2s
不思議な現象ですが,とにかく一つ目の「○五月一日 皆既日食」というのをステラナビゲータを使って当時の記録を見てみますと1770年5月25日に部分月食(観測地は宮城として)があったので,このことかと思いました。下に当時の日食を再現してみました。
星図1770.5.25
ところが「あれっ」と思ったのは,この前の年の1769年にも皆既日食があり,その5時間前に金星の太陽面通過が起きていたというのです。
6月4日 - 金星の日面通過が起こる。日面通過の僅か5時間後に皆既日食が起きたが、これは有史以来最も短い時間間隔である。(by wiki)
とすると年表に書いてあった皆既日食は1770年ではなく1769年の皆既日食のことではないかということになります。1年戻してメシエが彗星を発見した1769年の皆既日食を再現してみました。ところがいくら繰り返しても1769年6月4日の金星の太陽面通過の5時間後に皆既日食が再現されないのです。2年連続で皆既日食が起こっていたということになります。そして「1769年の皆既日食の5時間前には金星の太陽面通過が起こって」いるというwikiの記述は間違っているのでしょうか。どうも一致しなくなりました。
星図1769.6.4
1769年6月4日の金星の太陽面通過
ひょっとしてと思いましたが,歴史の記述と実際の現象が一致することの難しさを感じた今日のできごとでした。

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