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白馬岳遭難事故に思う

白馬8.4 434-2s日没前(8/5撮影)

 8/4から8/6まで白馬岳を歩いてきました。
 栂池からのゴンドラの中で,ここ白馬岳でゴールデンウィークに起きた北九州市の6人の痛ましい遭難事故のことが話題に上がっていました。に入った時点ではどこが現場なのかはわかりませんでしたが,から下りた後,他人ごととは思えず,自分でも調べてみたいと思いました。

 まず6人がに入ったのは栂池からでした。コースは次の図の通りです。
日程
コースと日程(新聞からの転用)
 夏のコースでは,白馬荘までは所要時間5時間50分ですが,雪の上を歩く分もっと早くなるでしょう。しかし,天気図を見て下さい。
5.3天気図
2012.5.3の天気図(新聞からの転用)
 典型的な二つ玉低気圧です。メイストーム(5月の嵐)という最悪の嵐になります。実はわたしも,この天気図と似た状況で鳥海に登り,あわや遭難というところまでいきました。強い風と吹雪で身体が持ち上げられ,飛ばされそうになったり,息継ぎもできない程です。視界は全く利きません。遭難当日の5月4日の午前は晴天だったそうですが,一気に天候は急変したでしょう。山は手も付けられない程荒れていたと思います。こちらでは,一気にドカ雪となります。 
白馬岳三国境遭難現場付近
白馬岳三国境遭難現場赤丸印が発見現場(新聞からの転用)

 6人が力尽きた地点は小蓮華山から下りて,三国境という鞍部手前だそうですが,風がまともに当たって集まってくる地点だと一回通った方は実感できると思います。低気圧通過後の猛烈な南東からの風が逆巻いていたと思われます。この地点から白馬岳頂上まで急登になります。夏山ガイドには白馬岳頂上まで1時間というところです。 
白馬8.4 308s白馬岳三国境(8/5撮影)

 さて,発見された時に軽装であったことから,急激に体温が奪われ,低体温症による凍死と報道されましたが,どうして雨具やジャケットを着ていなかったのか。
 2009年7月に起きたトムラウシ山の大量遭難事故では「凍死した7人全員がウインドブレーカー程度のものしか着用していなくて,助かった10人は防寒機能のある雨具やジャケットを着ていた。」という報告があります。
 白馬岳遭難事故でも同じようになったのはどうしてなのでしょう。
 晴天であった午前中,暑いままに歩いて,一気に雨風にたたかれ,急速に体温が奪われていったのでしょう。あともう少しという気持ちが手伝ってジャケットを羽織らずに歩き続け,結果遅れていた人を立ち止まっては待ち,立ち止まっては待ち,している間に動けなくなった人が出たのかもしれません。いずれにせよ,天候の急変によるあせり,早く到着しなくてはいけないという時間的な焦りも手伝って「えい。このまま着ないで。」という余裕のなさに結びついたのかもしれません。嵐で一気に体温が奪われていったのでしょう。

白馬8.4 296s三国境付近から小蓮華山方面を振り返る

 遭難事故はいたましいものです。特にツアー登山はよく調べて申し込むことが大切です。
 今回自分なりに考えてみて,
 ・まず余裕を持った計画を立てること。
 ・天気や気象条件を調べておくこと。
 ・必要な情報をいつも吟味しながら進むこと(地図が読めること,計画の立て方等)
 
 今回,遭難事故を調べる為に以下の本を読みました。
 特にトムラウシ山大量遭難時事故のルポは山歩きをする人は読んでいた方がいいなあと思いました。

〈参考にした本〉
トムラウシ山遭難はなぜ起きたのかトムラウシ山遭難はなぜ起きたのか
(2010/07/23)
羽根田治、飯田肇 他

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ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫)ドキュメント生還-山岳遭難からの救出 (ヤマケイ文庫)
(2012/01/20)
羽根田治

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ドキュメント 道迷い遭難ドキュメント 道迷い遭難
(2006/01/01)
羽根田 治

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 最後に遭難し,亡くなった方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。


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